The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

電気生理学・不整脈

一般口演10(I-OR10)
電気生理学・不整脈 Ⅰ

Thu. Jul 21, 2022 2:00 PM - 2:50 PM 第7会場 (ルーム204)

座長:鈴木 博(新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療センター 小児科)

[I-OR10-01] 心房頻拍に対するultra-high density mappingを用いたカテーテルアブレーションが奏功したAtriopulmonary connection Fontan の1例

藤田 修平1, 加畑 映理子1, 水冨 慎一朗1, 近田 明男2, 臼田 和生2, 畑崎 喜芳1 (1.富山県立中央病院 小児科, 2.富山県立中央病院 循環器内科)

Keywords:Fontan, atrial tachycardia, Ultra-high density mapping

【背景】Atriopulmonary connection Fontan (AP Fontan)術後の心房頻拍は複数、複雑な回路を形成することが多く回路の同定に難渋することが多い。近年、成人や小児の上室頻拍に対してultra-high density mappingの有効性が報告されている。【症例】33歳の男性。両大血管右室起始症の診断でAP Fontan手術が施行されている。27歳時に初発の心房頻拍発作で心不全となり電気的除細動が行われ、アミオダロンを内服し、頻拍発作は抑制され心不全、不整脈の薬物治療によるコントロールは良好であった。32歳時に頻拍発作が再発し、徐々に短い動悸症状も増加したため心臓電気生理学検査およびカテーテルアブレーションとなった。術前の心臓造影CTでは右房拡大および心耳吻合部位の巨大瘤形成を認め、冠動脈洞(CS)は肺静脈還流心房へ還流していた。体静脈心房からのCS電極挿入は不可能と判断し、ultra-high density mapping のリファレンス電位取得のために食道電極を用いることとした。2種類の心房頻拍が誘発され、ultra-high density mappingの解析から不整脈機序はいずれも心房内リエントリー性頻拍と診断した。心房内リエントリー性頻拍1は右房下部を旋回する回路が同定された。頻拍中の側壁low voltage areaと下大静脈を線状焼灼し、頻拍は停止した。心房内リエントリー性頻拍2は右房前面を上行し、後壁を下行する頻拍回路が同定された。頻拍中の前壁low voltage areaと下大静脈を線状焼灼し、頻拍は停止した。【結語】AP Fontan術後の複雑な心房頻拍でも食道電極をリファレンスとすることでultra-high density mappingは頻拍回路の正確で速やかな同定が可能であり、複雑心奇形術後のアブレーション治療に非常に有効である。