[I-OR10-02] 左室頂上部起源心室性期外収縮に対する冠静脈エタノール注入症例の心電図検討
Keywords:心室期外収縮, アブレーション, 左室頂上部起源
【背景】流出路起源の心室期外収縮(VPC)に対して、アブレーション治療は根治率も高い。しかしながら、左室頂上部(left ventricular summit)は解剖学的に冠動脈左前下降枝、左回旋枝、大心静脈に挟まれた左室心外膜側の領域であり、この領域は他の領域に比べて治療に難渋する。近年、冠静脈エタノール注入が選択肢となり、有効例が報告されるようになった。
【目的】LV summit 起源のVPCに対する冠静脈エタノール注入の効果が期待できる指標について心電図を検討する。
【対象と方法】高周波アブレーションが無効でエタノール注入を施行したVPC患者13名（男性9：女性4、年齢13-76歳）についてエタノール注入が著効(A群)、部分的効果（B群）、無効（C群）に分けて、12誘導心電図について後方視的に検討した。
【結果】エタノール注入後の効果はA群6名、B群5名、C群2名。流出路起源の心電図パラメーターを各A,B,C群および効果ありA+B群、効果なしC群として統計学的評価を行った。R in Iは平均A:0.075, B:-0.249, C:0.234でP=0.017。R ratio III/II 比は平均A:1.017, B:1.114, C:0.846で P=0.015。Q ratio L/R比は平均A:1.098, B:1.477, C:0.655で P=0.020とそれぞれ有意差を認めた。効果あり（A＋B）と効果なし（C群）で感度特異度はR in I は72.3%, cut off=0.059。R in IIIは81.8%, cut off=1.230。R ratio III/II 比は90.9％, cut off=1.014。Q ratio L/R比は90.9%, cut off=1.032。Q in aVLは90.9%, cut off=0.625。R in I＜0.059, R in III＞1.230, R ratio III/II＞1.014、Q ratio L/R＞1.032, Q in aVL＞0.625の数値がエタノール注入の効果が期待できる心電図指標となった。
【結語】LV summit 起源のVPCに対し、高周波カテーテルアブレーション治療が無効な症例に対し、冠静脈エタノール注入の効果を心電図より予測することはこの領域の治療成績向上につながると思われた。今後も症例の蓄積を行っていく必要がある。
【目的】LV summit 起源のVPCに対する冠静脈エタノール注入の効果が期待できる指標について心電図を検討する。
【対象と方法】高周波アブレーションが無効でエタノール注入を施行したVPC患者13名（男性9：女性4、年齢13-76歳）についてエタノール注入が著効(A群)、部分的効果（B群）、無効（C群）に分けて、12誘導心電図について後方視的に検討した。
【結果】エタノール注入後の効果はA群6名、B群5名、C群2名。流出路起源の心電図パラメーターを各A,B,C群および効果ありA+B群、効果なしC群として統計学的評価を行った。R in Iは平均A:0.075, B:-0.249, C:0.234でP=0.017。R ratio III/II 比は平均A:1.017, B:1.114, C:0.846で P=0.015。Q ratio L/R比は平均A:1.098, B:1.477, C:0.655で P=0.020とそれぞれ有意差を認めた。効果あり（A＋B）と効果なし（C群）で感度特異度はR in I は72.3%, cut off=0.059。R in IIIは81.8%, cut off=1.230。R ratio III/II 比は90.9％, cut off=1.014。Q ratio L/R比は90.9%, cut off=1.032。Q in aVLは90.9%, cut off=0.625。R in I＜0.059, R in III＞1.230, R ratio III/II＞1.014、Q ratio L/R＞1.032, Q in aVL＞0.625の数値がエタノール注入の効果が期待できる心電図指標となった。
【結語】LV summit 起源のVPCに対し、高周波カテーテルアブレーション治療が無効な症例に対し、冠静脈エタノール注入の効果を心電図より予測することはこの領域の治療成績向上につながると思われた。今後も症例の蓄積を行っていく必要がある。