[I-P1-1-02] 心内構造異常のない下大静脈欠損・奇静脈結合の胎児診断症例の出生後予後
Keywords:胎児診断, 下大静脈欠損, 徐脈性不整脈
【背景】心内構造異常のある左側相同では出生後高率に徐脈性不整脈への介入を要することが知られている。近年、胎児心エコーの普及により心内構造異常のない下大静脈欠損・奇静脈結合の胎児診断症例が増加しているが、その長期予後は明らかでない。【目的】心内構造異常のない下大静脈欠損・奇静脈結合の胎児診断症例の長期予後を検討すること。【方法】2012-21年に当院で胎児診断され、出生後も当院で経過観察した心内構造異常のない下大静脈欠損・奇静脈結合の9症例について、診療録より後方視的に検討した。【結果】観察期間は1-97ヶ月 (中央値74ヶ月)。9例中8例は徐脈性不整脈を認めなかったが、1例は洞不全症候群・接合部調律を認め、94ヶ月時のホルター心電図において平均心拍数48/分、max RR=2.96秒で、発作性上室性頻拍も認めており、治療介入を検討中である。【考察】心内構造異常のない下大静脈欠損・奇静脈結合症例では、心内構造異常のある左側相同と比較し徐脈性不整脈の発症はまれであるが皆無ではなく、出生後の長期経過観察を要する。