The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

胎児心臓病学

ポスター発表(I-P1-1)
胎児心臓病学 I

Thu. Jul 21, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場

座長:石井 徹子(千葉県こども病院 循環器内科)
座長:河津 由紀子(福山市民病院 小児科)

[I-P1-1-05] 99%の正常胎児心を診断する機会と場の提供により、胎児心エコー検査ガイドラインレベルIIを教育する

佐藤 工, 佐藤 啓 (国立病院機構弘前病院 小児科)

Keywords:胎児心エコー検査, ガイドラインレベルII検査, 教育と普及

【背景】胎児心エコー検査(検査)の教育は,99%の正常心を反復して経験することが最も有効である.当院では,2,008年から検査に精通した小児循環器医によるスクリーニング外来を開設し,紹介例に限定せず,正常例も含めて毎週一回必ず一定数を実施してきたため,検査の研修を希望する産科医や小児科医に指導する機会も得られてきた.【目的】当科の検査成績と教育の現状について報告すること。【対象と方法】スクリーニングは検査経験年数10年以上の小児循環器医2名が,日本小児循環器学会の検査ガイドラインレベルIIに準じて,独自に作成したチェックシートの必須観察項目をチェックする形式で実施した.2,008年から現在までにスクリーニングを受けた胎児6,041例(14~39週,28±2.8週)を対象として,CHDと解剖学的破格,不整脈,およびスクリーニングで認める機会の多かった房室弁逆流について,チェックシート記録を元に抽出した。【結果】CHDは胎児診断61例,出生後診断21例,全体で82/6,041例(1.4%),うちVSDが51/82例(62%)と最多であった.胎児CHDのため,22例の妊婦を高次医療施設に紹介した.解剖学的破格は8例(0.13%)で,うち内臓逆位が4例,うち1例が出生後にPCDを発症した.不整脈はPACが25例,SVTが1例の計26例(0.43%)で,いずれも器質的心疾患はなく,全て自然軽快した.カラードップラーで持続的かつ軽度に描出されるも,弁の異形成のないTR83例(1.4%),MR15例(0.2%)を認め,いずれも自然軽快した.約13年間に産科医6名,小児科医4名に,レベルIIの検査をハンズオンで指導,うち1名の小児科医は県内唯一の高次医療施設から毎週来院し,約1年間で200例以上を経験した.【結語】大多数の正常例を繰り返し経験可能な機会と場を提供することは,ガイドラインに準じた検査の教育と普及に有意義であり,修練中の医師が見逃す理由の「気付き」をもたらす点でも有益である.