The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

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ポスター発表(I-P1-3)
画像診断 II

Thu. Jul 21, 2022 2:00 PM - 3:00 PM ポスター会場

座長:市橋 光(自治医科大学附属さいたま医療センター 小児科)
座長:大月 審一(岡山大学病院 小児科)

[I-P1-3-03] 先天性心疾患患者における左房うず流の臨床的意義

伊藤 啓太, 岡 秀治, 佐々木 勇気, 今西 梨菜, 島田 空知, 中右 弘一, 高橋 悟 (旭川医科大学 小児科)

Keywords:左房うず流, 左房機能, 4D flow MRI

【背景】4D flow MRIでは、三次元構造の経時変化情報を収集することで、血流を可視化することができる。「左房うず流」は健常人で認める所見であるが、消失している場合、成人では血栓形成や不整脈との関連が示唆されている。しかし、先天性心疾患患者での意義は明らかにされていない。
【目的】先天性心疾患患者における左房うず流の臨床的意義について明らかにすること。
【方法】2020年4月から2021年12月に当院で心臓MRI検査を施行した25名(先天性心疾患術後8名:年齢17-41歳、中央値22歳。健常者17名: 年齢21-31歳、中央値23歳。全例、洞調律)を対象にした。心臓MRI装置はSiemens社製3 Teslaを使用し、4D flow MRI(venc 100cm/s)で左房うず流の有無を評価し、経胸壁心臓超音波検査で求めた左房機能との関連性を検討した。
【結果・考察】左房うず流は16/25名(64%)で認めた。うず流の有無で二群に分類すると、うずあり群では15/16名(94%)が健常者で、うずなし群では7/9名(78%)が術後患者であり、術後患者ではうず流を認めない割合が有意に高かった(p=0.001)。左房機能を比較すると、うずあり群でReservoir機能とConduit機能が有意に高く、Booster機能には差がなかった(うずあり群vsうずなし群: Reservoir機能 43.4 vs 31.6%、p=0.006、Conduit機能 33.5 vs 22.3%、p=0.001、Booster機能 9.9 vs 9.1%、p=0.68)。うず流は左房が拡張する時相で生じており、その発生要因には左房Reservoir機能が関連している可能性が考えられた。
【結論】先天性心疾患術後患者では左房うず流が消失している症例が多かった。左房うず流の消失は、左房Reservoir機能の低下が影響している可能性がある。