[I-P1-3-05] 非造影radial SSFPと4D flow MRIによる肺動静脈瘻孔の評価
Keywords:Fontan循環, 肺動静脈瘻, 4D flow MR I
肺動静脈瘻を非造影radial SSFPと4D flow MRIにて評価した症例を経験した。診断は polysplenia, dextrocardia, {I.D.D}, DORV, MA, PA, bilateral SVC, IVC interruption with hemiazygos connection, hemi Fontan後, total cavopulmonary shunt(TCPS) with hepatic inclusion後, pulmonary arteriovenous fistula(PAVF), lt.PA plasty後であった。
経過: 3歳時にhemi Fontan,5歳時にTCPSを行い, 術後カテーテルで左PAVFと診断された. 13歳時に肝血流が左PAへ流れるようにPA plastyを行い, その後のカテーテルではPAVFの増悪は認めなかった. チアノーゼの進行があり33歳時に榊原記念病院にて心臓MRIを行った.
MRI所見: Siemens社製MAGNETOM Sola 1.5Tで撮像し, 4D flow MRIはCardio Flow Design社製 iTFlow 1.9にて解析した. 非造影・非心電同期radial steady-state free precession(SSFP) は, bilateral SVC, hemiazygos connection, TCPS with hepatic inclusionが明確に画像化された. Radial SSFP画像に4D flow画像を併せて血流解析を行ったところ, 肝血流を含むTCPS血流は右PAには流れているが, 左PAへは殆ど流れておらず, hemi-azygos veinと左SVCからの血流が左PAに流れているのが観察された. またTCPSでのenergy lossの増加とkinetic energyの減少, 逆にhemiazygos veinでのenergy lossの減少とkinetic energyの増加を認め, TCPSでのenergy loss curveは変曲点の多い特異な変化を示した.
結果: 左PAには肝血流を含んだTCPSからの血流が殆ど流れておらず, 左CAVFの増悪が 示唆された. Energy lossの少ない肝血流を含まないhemiazygos veinからの血流が左PAへ流れているのが明らかになった.
結論: 非造影・非心電同期radial SSFP画像に4D flow画像を併せることにより, 短時間での血流動態評価が可能であった. 外来経過観察中にカテーテル検査を施行せずに, 非侵襲的な非造影MRIにてCAVFの増悪を示すことが出来た.
経過: 3歳時にhemi Fontan,5歳時にTCPSを行い, 術後カテーテルで左PAVFと診断された. 13歳時に肝血流が左PAへ流れるようにPA plastyを行い, その後のカテーテルではPAVFの増悪は認めなかった. チアノーゼの進行があり33歳時に榊原記念病院にて心臓MRIを行った.
MRI所見: Siemens社製MAGNETOM Sola 1.5Tで撮像し, 4D flow MRIはCardio Flow Design社製 iTFlow 1.9にて解析した. 非造影・非心電同期radial steady-state free precession(SSFP) は, bilateral SVC, hemiazygos connection, TCPS with hepatic inclusionが明確に画像化された. Radial SSFP画像に4D flow画像を併せて血流解析を行ったところ, 肝血流を含むTCPS血流は右PAには流れているが, 左PAへは殆ど流れておらず, hemi-azygos veinと左SVCからの血流が左PAに流れているのが観察された. またTCPSでのenergy lossの増加とkinetic energyの減少, 逆にhemiazygos veinでのenergy lossの減少とkinetic energyの増加を認め, TCPSでのenergy loss curveは変曲点の多い特異な変化を示した.
結果: 左PAには肝血流を含んだTCPSからの血流が殆ど流れておらず, 左CAVFの増悪が 示唆された. Energy lossの少ない肝血流を含まないhemiazygos veinからの血流が左PAへ流れているのが明らかになった.
結論: 非造影・非心電同期radial SSFP画像に4D flow画像を併せることにより, 短時間での血流動態評価が可能であった. 外来経過観察中にカテーテル検査を施行せずに, 非侵襲的な非造影MRIにてCAVFの増悪を示すことが出来た.