[I-P1-4-11] 肺動脈性肺高血圧症における肺血管拡張療法の右心室構造及び機能に対する影響
Keywords:肺動脈性肺高血圧症, 右心室, 心エコー
【背景】右心 (RV) 不全は肺動脈性肺高血圧症 (PAH) の主要な死亡原因である. 2次元心エコー検査 (2DE) はRVの機能とリモデリングを評価する最も簡便な非侵襲的方法と考えられており, 2DEによるRVの機能と構造の測定はPAH患者の生存に対する強い予後予測因子である.
【目的】本試験は, PAH患者におけるRV及び血行動態に対する肺血管拡張薬の効果を, 2DE及び右心カテーテル法 (RHC) を用いて検討した.
【方法】本試験はPAH患者において, 治療開始前 (stage 1), 経口肺血管拡張薬3剤併用療法開始後13週 (stage 2), 及び経口肺血管拡張療法にepoprostenol持続静注開始後13週 (stage 3) のRVリモデリングと機能及び心肺血行動態に対する効果を評価した. 主要評価項目は, 2DEによるRV 1回仕事係数 (RVSWI-2DE: 三尖弁閉鎖不全最大血流速度から算出した圧較差を使用) のstage 1からstage 3までの変化, 及びRHCによる肺血管抵抗の変化とした.
【結果】症例は特発性PAHの4歳女児で, 経過中, 肺血管拡張療法による重大な副作用を認めなかった. Stage 1から3までに, RVSWI-2DEが174％増加し, 肺血管抵抗が40％減少した. 同期間のRHCで算出したRVSWIは85％の増加を示した. 副次的及び探索的2DE及びRHCによる血行動態と機能的エンドポイントにおいてもstage 3までに改善を示す変化が観察された (下大静脈系係数: －30％, RV基部拡張末期径係数: －14％, TAPSE係数: ＋155％, 心係数: ＋277％, 平均肺動脈圧: －16％). これらの改善は各stage間でも確認された.
【結論】PAH患者に対する肺血管拡張療法により, 2DE及びRHCのいずれにおいてもRVの機能と構造及び心肺血行動態に臨床的に意義のある改善を示した.
【目的】本試験は, PAH患者におけるRV及び血行動態に対する肺血管拡張薬の効果を, 2DE及び右心カテーテル法 (RHC) を用いて検討した.
【方法】本試験はPAH患者において, 治療開始前 (stage 1), 経口肺血管拡張薬3剤併用療法開始後13週 (stage 2), 及び経口肺血管拡張療法にepoprostenol持続静注開始後13週 (stage 3) のRVリモデリングと機能及び心肺血行動態に対する効果を評価した. 主要評価項目は, 2DEによるRV 1回仕事係数 (RVSWI-2DE: 三尖弁閉鎖不全最大血流速度から算出した圧較差を使用) のstage 1からstage 3までの変化, 及びRHCによる肺血管抵抗の変化とした.
【結果】症例は特発性PAHの4歳女児で, 経過中, 肺血管拡張療法による重大な副作用を認めなかった. Stage 1から3までに, RVSWI-2DEが174％増加し, 肺血管抵抗が40％減少した. 同期間のRHCで算出したRVSWIは85％の増加を示した. 副次的及び探索的2DE及びRHCによる血行動態と機能的エンドポイントにおいてもstage 3までに改善を示す変化が観察された (下大静脈系係数: －30％, RV基部拡張末期径係数: －14％, TAPSE係数: ＋155％, 心係数: ＋277％, 平均肺動脈圧: －16％). これらの改善は各stage間でも確認された.
【結論】PAH患者に対する肺血管拡張療法により, 2DE及びRHCのいずれにおいてもRVの機能と構造及び心肺血行動態に臨床的に意義のある改善を示した.