[I-P1-6-11] 心外型総肺静脈還流異常を合併した無脾症候群に対する治療戦略
Keywords:無脾症候群, 総肺静脈還流異常症, sutureless technique
【目的】当院における心外型TAPVCを合併した無脾症候群の治療成績から, 治療戦略の妥当性について検討すること.
【対象と方法】当院で経験した無脾症に対する手術症例28例中,心外型TAPVCを合併した16例を対象とした. 全例が機能的単心室. TAPVC病型はI型9例,III型4例, IV型3例. TAPVCに対する手術介入時期3ヶ月以前をE群(8例),3ヶ月以降をL群(8例)として比較検討を行った.
【結果】手術時日齢はE群で日齢 9.0±8.5日(1~28日), L群で日齢 240.0±202.2日(118~761日), TAPVC病型はE群8例中4例(50%)がIII型, L群にはIII型はいなかった. TAPVC介入術後急性期死亡はE群1例(死因は心不全), L群0例. TAPVC介入後PVO発症はE群2例(うち2例に外科的再介入), L群1例(外科的再介入). Sutureless法はE群2例,L群4例で行っており術後PVO発症なし. BDG到達はE群3例(37.5%),L群7例(87.5%),全症例で62.5%, 予定を含むFontan到達はE群1例(12.5%),L群6例(75%),全症例で43.8%であった. III型の1例に対して日齢1にPVOに対してステント留置し,その後Sutureless法を行いPVOの再発はなかったが遠隔期に死亡(多臓器不全)した症例があった.
【考察】当院における心外型TAPVCを合併した無脾症候群の外科的治療成績は過去の報告と同程度であった. 手術年代はE群8例中7例は2011年以前の症例であり,L群8例中5例は2011年以降であり,2011年以降乳児期早期の修復を避けPrimary Sutureless法を第一選択にするという方針が成績向上につながっていることが確認された. III型の成績は未だ不良であり今後の課題である.
【対象と方法】当院で経験した無脾症に対する手術症例28例中,心外型TAPVCを合併した16例を対象とした. 全例が機能的単心室. TAPVC病型はI型9例,III型4例, IV型3例. TAPVCに対する手術介入時期3ヶ月以前をE群(8例),3ヶ月以降をL群(8例)として比較検討を行った.
【結果】手術時日齢はE群で日齢 9.0±8.5日(1~28日), L群で日齢 240.0±202.2日(118~761日), TAPVC病型はE群8例中4例(50%)がIII型, L群にはIII型はいなかった. TAPVC介入術後急性期死亡はE群1例(死因は心不全), L群0例. TAPVC介入後PVO発症はE群2例(うち2例に外科的再介入), L群1例(外科的再介入). Sutureless法はE群2例,L群4例で行っており術後PVO発症なし. BDG到達はE群3例(37.5%),L群7例(87.5%),全症例で62.5%, 予定を含むFontan到達はE群1例(12.5%),L群6例(75%),全症例で43.8%であった. III型の1例に対して日齢1にPVOに対してステント留置し,その後Sutureless法を行いPVOの再発はなかったが遠隔期に死亡(多臓器不全)した症例があった.
【考察】当院における心外型TAPVCを合併した無脾症候群の外科的治療成績は過去の報告と同程度であった. 手術年代はE群8例中7例は2011年以前の症例であり,L群8例中5例は2011年以降であり,2011年以降乳児期早期の修復を避けPrimary Sutureless法を第一選択にするという方針が成績向上につながっていることが確認された. III型の成績は未だ不良であり今後の課題である.