The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

一般心臓病学

ポスター発表(I-P2-1)
一般心臓病学 I

Thu. Jul 21, 2022 3:10 PM - 4:10 PM ポスター会場

座長:片岡 功一(広島市立広島市民病院 循環器小児科)
座長:齋木 宏文(岩手医科大学 小児科学講座)

[I-P2-1-03] 当院の新生児スクリーニング心エコーの変遷

三井 さやか1, 福見 大地1, 羽田野 爲夫2 (1.日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 小児循環器科, 2.愛知県三河青い鳥医療療育センター 小児科)

Keywords:胎児診断, 新生児, スクリーニング

【背景と目的】胎児心エコーの進歩は目覚ましいが軽症心疾患,ASD,PDAの胎児診断はほぼ不可能である.当院での小児循環器科医による退院前新生児スクリーニング心エコーの変遷,成果を検証した.【方法】2009年1月~2021年10月にスクリーニング心エコーを施行した児が対象.(1)出生後診断された中等症・重症心疾患(2)スクリーニングで多い軽症心疾患の診断率,転帰を検討した.【結果】当該期間に18783例に心エコーを行い要再検は2831例(15.1%)だった.2009-2014年(期間1)及び2015-2021年(期間2)で再検率に差はなかった(中央値14.6%:13.6%,p=0.87).(1)中等症・重症心疾患は期間1に19名,期間2に40名出生し,出生後診断されたのは63.2%(12/19):50%(20/40)だった.特にスクリーニング診断例は期間1:2例(SLV+TGA,cAVSD),期間2:2例(CoA,malalignment VSD+PS)であった.(2)再検理由はPDA 45.6%(1292例),PFO>3mm 42.1%(1191例),VSD 14.8%(418例,うち筋性部9.3%,263例),弁膜症 3.5%(98例),PS 3%(86例),BAV 1.4%(39例)が多かった.PDA92%,PFO82%,VSD67%うちmVSD84%,弁膜症82%,PS70%で自然閉鎖・軽快を認めたがPDA 31例(2.4%),PFO/ASD 26例(2.2%),VSD 41例(9.8%)(mVSDを除く155例中26.5%),PS 2例(2.3%)で治療を要した.【考察】中等症・重症心疾患の出生後診断例は期間1,2共認め,4例は新生児科医の診察で疑われずエコーで診断され全例手術を要した.スクリーニングで診断される疾患は軽症で大半は治療を要しなかったが,BAV,冠動脈起始異常,中等度以上のASD等エコーでしか診断し得ず手術を要した症例もあった.【Limitation】スクリーニング心エコーは他院出生後当院へ搬送された児も対象とした.また胎児診断の結果母体を他院へ紹介し,当院で出生していない症例もあった.【結語】新生児スクリーニング心エコーは胎児心エコーが進歩しても,軽症及び中等症・重症先天性心疾患の診断に有用であった.