[I-P2-2-08] 当院における両側肺動脈絞扼術の治療成績とその問題点
キーワード:両側肺動脈絞扼術, 二心室修復, 問題点
【背景】両側肺動脈絞扼術(b-PAB)は二心室修復(BVR)を目指す症例にも適用される。【目的】地域基幹病院である当院におけるb-PAB症例を、BVRが考慮された症例を含め評価し課題を明らかにする事。 【対象と方法】2010年7月~2021年2月にb-PABが施行された12例について診療録から後方視的に検討した。【結果】総動脈幹(TAC)2例、大動脈弓離断(IAA)1例、複雑大動脈縮窄(CoA complex)3例(1例で房室中隔欠損(AVSD)合併)、IAA+CoA1例、三尖弁閉鎖(TA)2例、左心低形成症候群2例、Ebsteinが1例。TAC2例、CoA complex2例、IAA+CoA1例の5例でBVRが考慮され、CoA complex1例、TA1例は染色体異常等があり姑息術までの方針となり、その他5例は単心室修復(UVR)が考慮された。UVR群のb-PAB時日齢は8日(以下中央値)、2.7kgで周術期死亡なし。EbsteinにStarnesを行いGlenn待機中、1例がNorwood周術期に、1例が遠隔期に死亡、2例がFontanに到達したが1例でtake downとなった。BVR群のb-PAB時日齢は9日、2.2kgであり、b-PAB追加調整を低出生体重児2例で行った。周術期死亡2例、うち1例は染色体異常であった。早産児のCoA+AVSD例で循環動態不安定となり、日齢12にEAAを行ったが周術期死亡した。2例で根治術に到達、IAA+CoA例に日齢37にYasui手術を施行したが周術期死亡、Arch repair+Rastelliをした1例は耐術した。【まとめ】BVRを目指すb-PABは良好な成績が報告されているが、低体重児に行う事が多く、次回手術を未熟な時期に行った例での死亡が多い。b-PAB後循環管理および次回手術時期が重要であると考えられた。