[I-P2-2-10] ファロー四徴, 肺動脈閉鎖, 動脈管の超低出生体重児に対してprostaglandin E1を長期投与した一例
キーワード:動脈管依存性心疾患, 超低出生体重児, prostaglandin E1
【背景】動脈管(DA)依存性心疾患合併の超低出生体重児はprostaglandin(PG)E1長期投与を余儀なくされる.PGE1投与量をSpO2,DA径,desAoVTI比で調整した症例を経験した【症例】母24歳,未受診妊婦.墜落分娩,生後45分,当科NICU搬送.推定在胎31週,968g(-2.9SD),血圧54/25mmHg,呼吸数(RR)60/分,下肢SpO2:80%(室内気).心エコーでファロー四徴,肺動脈閉鎖,DA,卵円孔開存,肺高血圧と診断,LipoPGE1:3ng/kg/min,レスピア予防投与開始,WQ100とした.胸部写真でRDSと判断,挿管,サーファクタント投与.CRP4.76で感染症として抗菌薬開始.母の梅毒が判明し先天性梅毒と診断.日齢3,SpO2:100%, DA径2.31mm,desAoVTI比0.74, RR70以上で,N2療法と利尿剤を開始.SpO2:96%(FiO2 0.19), RR60で,日齢9抜管,NPPVとした.日齢12,CRP3.76と再上昇, PIカテ感染を疑い抗生剤追加.日齢13,SpO2:88%(FiO2 0.19),DA径2.27mm,desAoVTI比0.57と低下, LipoPGE1を5ng/kg/minに増量したところ,無呼吸頻発しドプラム追加.日齢14にN2療法終了.その後SpO2:86%(室内気),desAoVTI比0.3-0.35で推移.日齢28,CRP0.13と低下したが無呼吸持続,し再挿管, desAoVTI比0.20に低下し7ng/kg/minに増量.その後DA径は著変なく,SpO2:85-92%,desAoVTI比0.30-0.35になるように体重増加に合わせLipoPGE1を調整,日齢75で8.7ng/kg/minとした.(体重1926g)日齢76,SpO2:70%(室内気)に低下,9.9ng/kg/minに増量したがDA径1.31mm,desAoVTI比0.21に低下し,PGE1-CD 50ng/kg/minに変更.また体温38.2度であり感染の影響と考え,抗菌薬を再開.150ng/kg/minまで漸増しSpO2:83%(室内気)となった.翌日手術可能な高次病院へ搬送.その後70ng/kg/minまで減量,人工呼吸管理継続,体重3120gで4ヶ月時に短絡術施行.PGE1は計4.5ヶ月間,人工呼吸管理は3.5ヶ月に及んだ.現在当院帰院し術後20日で,RR54, SpO2:83-87%(室内気),呼吸障害・酸素飽和度は改善傾向.【考察】PGE1投与量の調節にDA径だけでなくdesAoVTI比が有用であった.