The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

胎児心臓病学

ポスター発表(I-P2-3)
胎児心臓病学 II

Thu. Jul 21, 2022 3:10 PM - 4:10 PM ポスター会場

座長:黒嵜 健一(国立循環器病研究センター 小児循環器内科)
座長:与田 仁志(東邦大学医学部 新生児科)

[I-P2-3-04] Preejection velocity spikeの胎児心周期における検討:Tissue DopplerとPulse Dopplerを使用したDual gate Doppler法での時間差の比較

寺町 陽三, 前野 泰樹, 津田 恵太郎, 清松 光貴, 鍵山 慶之, 高瀬 隆太, 籠手田 雄介, 須田 憲治 (久留米大学 医学部 小児科学講座)

Keywords:Preejection Velocity spike, Dual gate Doppler, fetal heart

【背景】Tissue Doppler (TD)法での左心室Pre-ejection Velocity spike(pre-s’)のピークは僧帽弁閉鎖と一致すると報告されているが、実際にDual Doppler(DD)を用いて検討すると、TD法でのpre-s’のピークはPulse Doppler(PD)での房室弁閉鎖よりも遅れ、TDのICTはPDのICTよりも有意に短かった。今回、このTDのpre-s’とPDの房室弁閉鎖のタイミングの時間差(Δ)に関して検討した。【方法】心内外構造異常がない胎児115例を対象とした。DD法にて両心室の房室弁流入のPDと房室弁輪のTDを同時描出しΔを測定し、左右心室で比較した。またΔと在胎週数、心拍数、PD法での心機能パラメーター(ICT, Ejection time: ET, Isovolumic relaxation time: IRT, Myocardial Performance index: MPI, E/e’)、pre-s’ peakとmyocardial acceleration during isovolumic contraction(pre-s’ IVA)との相関を検討した。さらにpre-s’のIVAとの相関も検討した。【結果】在胎週数は平均27.4週、心拍数は平均144bpm。RV-ΔはLV-Δより有意大きく(8.9±7.6 vs. 1.5±1.5ms , p<.0001)、症例ごとのばらつきの幅も大きかった(p<.0001)。RV-Δに関しては在胎週数とは相関がなかったが、心拍数とは弱い負の相関がみられた(r=-0.22, p=0.02)。またRV-Δは、ICT/ET (r=0.40, p<.0001), MPI(r=0.33, p=0.0006)とそれぞれ正相関がみられた。peak pre-s’ とは相関がみられなかったが、pre-s’ IVAと負の相関を認めた(r=-0.30, p=0.002)。またIRT/ETとは相関を認めなかったが、E/e’とは負の相関がみられた(r=-0.26, p=0.007)。【結語】LVでは僧帽弁の閉鎖とpre-s’がほぼ同時相のタイミンで見られたが、RVではその時間差が有意に長かった。RV側の時間差はICT/ET, MPI, pre-s’ IVAとの相関がみられRV収縮能との関連を示唆している可能性がある。