[I-P2-3-06] 孤立性卵円孔早期狭小化/閉鎖の重症度診断;出生後診断例も含めた検討
Keywords:卵円孔早期閉鎖, 肺高血圧, 胎児診断
【背景】孤立性卵円孔早期狭小化/閉鎖(PRFO/PCFO)の胎児診断が散見されるようになったが,未だに胎児診断は容易ではなく,またその重症度評価は確立していない.出生後診断例も含めて当院で経験したPRFO/PCFOの4例について報告する.【胎児診断例1】在胎34週でPRFOと診断.hypermobile atrial septal aneurysm+,TVD/MVD=1.34,大動脈峡部血流は拡張期逆行を少量認めた.満期で経腟分娩にて出生し,生直後のエコーはLVDd17.3mm(104% of N),LVEF65%で,呼吸循環のサポートは不要であった.【胎児診断例2】在胎35週PRFOと診断.TVD/MVD=1.84,大動脈峡部血流は収縮期逆行を少量認めた.満期で経腟分娩にて出生し,生直後のエコーはLVDd11.6mm(75% of N),LVEF50%,大動脈峡部血流は収縮期逆行あり.酸素投与のみで逆行は消失した.【出生後診断例1】満期で経腟分娩にて他院で出生.生直後に呼吸循環管理を要し,生後7時間のエコーではLVDd11.6mm(75% of N),LVEF50%,左房拡大を認めた.大動脈峡部血流は順行性であった.卵円孔は閉鎖し卵円窩部分中隔壁がφ2.8mmに肥厚していた.徐々にLVサイズ拡大し,生後10日でLVDd17.8mm(100% of N),LVEF66%となった.生後21日の頭部MRIで異常所見は認めていない.【出生後診断例2】破水のため35週3日,出生体重2554g,経膣分娩にて他院で出生.生直後からiNO含めた呼吸循環管理を要した.生後9時間のエコーではLVDd11.8mm(70% of N),LVEF71%,左房拡大を認めた.大動脈峡部血流は順行性であった.卵円孔は閉鎖し卵円窩部分中隔壁がφ4.6mmに肥厚していた.徐々にLVサイズ拡大し,生後11日でLVDd18.2mm(108% of N),LVEF74%となった.生後13日の頭部MRIでHIE所見を認めた.【結語】卵円窩部分中隔壁の肥厚は,卵円孔閉鎖時期から長期間経過していることを示唆し,生後の経過と関連している可能性がある.今後,胎児期においても同所見に着目しての症例の集積が必要である.