[I-P2-5-08] 巨大血管奇形に伴う高拍出性心不全の2例
Keywords:高拍出性心不全, 動静脈奇形, mTOR阻害剤
【背景】動静脈奇形(AVM)は病変内に動静脈短絡を一つあるいは複数有し、拡張・蛇行した異常血管の増生を伴う高流速型の血管病変である。シャント量が多い場合、心不全を呈することがある。病変部位によっては手術不可能なことがある。【目的】外科的治療困難な部位に発生したAVMにより心不全を呈した2例を報告する。【結果】症例1は21歳女性。5歳時より鼠径部の血管腫、リンパ腫が出現した。増大傾向を認め、心不全症状が出現、鼠径部にAVMに起因する難治性潰瘍を認める。骨盤内腔に大きな腫瘍性病変を呈しており、外科的摘出術は困難、カテーテル治療も脊椎への血管があるため、合併症が懸念され、利尿剤、シロリムス等の内服加療を行っている。症例2は9歳男児。6歳頃より右前頸部の腫脹を認め、増悪傾向であった。右鎖骨下動脈から多数の分枝を持ったAVMと診断、下端は胸腔内まで進展していた。心不全を認め、3回のコイル塞栓術を行ったが無効であった。部位が頸部、胸腔内であり、多数の血管が存在しているため外科的手術は困難と判断、利尿剤、シロリムス内服にて経過観察中である。硬化療法も視野に入れているものの、その適応判断は難しく、治療に難渋している。【考察】AVMに伴う心不全は予後不良である。原因病変に対する外科的治療が第一選択だが、提示症例のように外科治療が難しい時は治療の選択肢が限られる。カテーテル治療は一つの方法であるが、供血血管を塞栓しても側副血行路が増加するため積極的には進められていない。また硬化療法も塞栓物質の選択、効果、副作用の点で課題は多い。mTOR阻害薬を含む血管新生阻害薬に関心が持たれているがその効果は不明である。心不全症状を呈する症例の予後は不良であり、何らかの手段を講じる必要がある。【結論】動静脈奇形に合併した高拍出性心不全は予後不良であるが、部位によっては治療困難であることがあり、集学的治療を要する。