[I-P2-6-02] 経皮的塞栓治療に難渋した両側先天性冠動脈瘻の1例
キーワード:先天性冠動脈瘻, 経皮的カテーテル閉鎖術, 冠動脈収縮
4歳3か月男児(身長107cm、体重18.1kg)。生後心雑音から先天性冠動脈瘻(CAF)と診断された。心負荷のため1歳3か月で心臓カテーテル検査を行い、Qp/Qs 1.9、右冠動脈(RCA)と左回旋枝(LCX)から右室下壁の同じ開口部へ流入する遠位型両側CAVFと診断した。安静保持が自閉症スペクトラムで困難であり経過観察していたが、3歳頃から前胸部痛を訴え当院紹介となった。選択的冠動脈造影ではRCA、LCXはそれぞれ径11mm、径5.4mmと拡大していた。両側冠動脈のRV流入口(最小径10.5mm)に対してデバイス留置の方針とした。まずは逆行性アプローチで5FrJRを親カテにし、先端可動型マイクロカテーテル(LEONIS MOVA)を右室内に出した。10mmグースネックスネアワイヤーでLEONIS MOVAを把持しpull throughしたのち、5Frガイディングシース(Parent Plus)をRCA最狭窄部に通過させた。Amplatzer Vascular Plug-2(AVP2)12mmを展開したが数度にわたりデバイスの脱落を認めた。ガイディングシースが再狭窄部を通過しておらず、RCA自体の圧縮を認めた。順行性アプローチで同じシステムでAVP2 1mmを留置した。留置後冠動脈造影で冠動脈側枝閉鎖なく心電図変化を認めなかった。