[I-P2-6-04] 多孔性心房中隔欠損症の複数留置例におけるデバイス相互干渉の検討-翌日に大きく偏位した症例を経験して-
Keywords:multiple ASD, device malalignment, interaction of double devices
【緒言】多孔性心房中隔欠損症において欠損孔間が7mm以上ある場合は各々の孔を塞ぐデバイス閉鎖術が報告されている。今回、我々は2個整列留置したデバイスの相互間が90度に大きく偏位した症例を経験した。【目的】当院での複数留置例を後方視的に検討し本症例を考察すること。【対象と結果】2006年のカテーテル閉鎖術導入以降、複数使用は3例で何れも2個ずつ留置された。バルーンサイジング(SB)は2つの孔を、それぞれ、同時、1つを留置しデタッチ前に、と複数回施行。症例1 2009年 8歳女 孔は前上6-7/10(TEE/SB(mm)) 後下7-8/12.4 間隔9.0 閉鎖栓は前上10後下11を留置。症例2 2014年 7歳男 孔は前上9-10/12.1後下4-5/5.9 間隔7.8 閉鎖栓は前上13後下6を留置。症例3 2021年 4歳女 孔は前上8-12/14後下4-8/6 間隔6.6 閉鎖栓は前上13.5後下6を留置。いずれも良形態として終了したが症例3では翌日になり両閉鎖栓が谷折り関係に偏位していた。脱落の可能性もあり入院期間を延期し観察した。【考察】症例1,2はAmplatzer(Amp)のみの時代であり、同等の径であった症例1は前上からデタッチした所、普段に生じる現象として閉鎖栓が立つ形態となり、後下はそれとは山折りとなるためHausdorfシースを用いる必要があった。症例2は後下からデタッチし、それを挟む様に前上を留置し整列し得た。症例3は目標孔の間と後下の下にも小孔を認めており計4個認めていたが2つの閉鎖栓で終える予定で行い、後下に6mm Amp留置後に前縁欠損にて13.5mm Figulla(FFII)を重なるように整列留置し得たが、結果として谷折りに偏位した。原因として柔らかいFFIIでAmpを挟んだ事、デバイス間の小孔により中隔構造が薄く脆弱であった事、デバイス間が7mm未満でのrim不足、などが考えられる。【結語】偏位自体が必ずしも有害事象ではないが想定外に偏位した場合に脱落の懸念もあり慎重な観察を要する。