第58回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

染色体異常・遺伝子異常

ポスター発表(I-P2-7)
染色体異常・遺伝子異常 II

2022年7月21日(木) 15:10 〜 16:10 ポスター会場

座長:栗嶋 クララ(厚生労働省)
座長:永井 礼子(北海道大学病院 小児科)

[I-P2-7-02] 心疾患を合併するNoonan症候群の予後

田中 秀門1, 寺澤 厚志1, 山本 哲也1, 桑原 直樹1, 桑原 尚志1, 吉田 尚司2, 渕上 泰2, 岩田 祐輔1 (1.岐阜県総合医療センター 小児循環器内科, 2.岐阜県総合医療センター 小児心臓外科)

キーワード:Noonan症候群, 肥大型心筋症, 流出路狭窄

【背景】Noonan症候群は高率に心疾患を合併することが知られており, 合併心疾患が生命予後に影響すると言われている. 【目的】当院における心疾患を合併したNoonan症候群の予後を評価する. 【方法】2000年1月以降当院で診察を行っている心疾患合併のNoonan症候群患者を抽出し, 後方視的に検討した. Noonan症候群は臨床診断・遺伝診断ともに含めた. 【結果】対象患者は17人(男性8人, 女性9人), 年齢中央値7歳7ヶ月(6ヶ月-48歳1ヶ月). 生存例11人(男性4人, 女性7人), 死亡例6人(男性4人, 女性2人). 遺伝診断例は6人(生存例5人, 死亡例1人). HCMは7人(生存例2例, 死亡例5例)だった. 疾患内訳として心房中隔欠損(±肺動脈弁狭窄)5人, 心室流出路狭窄 7人, 共通房室弁+右室低形成 1人, 左冠動脈肺動脈起始 1人, 純型肺動脈閉鎖 1人, 動脈管開存症 1人, 肺動脈弁狭窄 1人. 1例はTCPCに到達した. 死亡例の死亡年齢は中央値2歳0ヶ月(6ヶ月-48歳6ヶ月)、死亡例は5例が流出路狭窄を有しており(右室2例, 左室1例, 両心室2例), もう一例は左冠動脈肺動脈起始だった. 【まとめ】肥大型心筋症を合併している児の予後は悪く, 特に流出路狭窄を合併する症例の予後が悪かった. 一方でTCPC到達症例も認めた. 文献的考察を交えて報告する.