[I-P3-1-01] 主心室別Fontan術後の運動耐容能の検討
キーワード：Fontan手術, 運動負荷試験, 運動耐容能
【背景】Fontan術後の運動耐容低下は予後と関連するとの報告がある．しかし，右心室，左心室に分類し検討された報告は少ない．【目的】本研究の目的は右心室，左心室疾患に分類し運動耐容能の違いについて検討すること．【対象】2018年から2021年当院ACHD外来を受診し心肺運動負荷試験（CPX）を施行したFontan術後の10名．【方法】Fontan術後の患者を右室群5例，左室群5例に分類し性別，身長，年齢，体重，BMI，機能的修復術からCPXまでの年数，心臓エコー検査からEF，カテーテル検査から平均肺動脈圧，CPX検査からPeakVO2，Peak HR，VO2/HRを調査した．なお，表記は中央値，四分位とした．【結果】性別（男性＝左室：2例，右室：3例），身長（左室：1.6m［1.5,1.7］，右室：1.6m［1.5,1.6］），年齢（左室：33歳［19,34］，右室20歳［18,30］：），体重（左室：54kg［52,69.4］，右室：60.1 kg［48.6,61.5］），BMI（左室：22.1［21.9,25.5］，右室：22.6［22.1,23.8］），機能的修復術からCPXまでの期間（左室：17年［14,20］，右室：16年［14,19］），EF(左室;58.0 [51.0, 61.0]，右室；58.0 [48.0, 63.0]), 平均肺動脈圧（左室：13mmHg［11.8,14.3］，右室：13mmHg［9.0,14.0］），PeakVO2（左室：17.3ml/min/kg［12,2］，右室：13.1 ml/min/kg［12.3,20.8］），Peak HR（左室：130beat/min［104,136］，右室：151 beat/min［113,157］）， VO2/HR（左室：8.0ml/beat［7.3,9.4］，右室：5.7ml/beat［5.6,7.4］）． 【考察】両群に統計学的差はなかったが右室群はPeak VO2が低く，Peak HRが高値を示す傾向であった．両群の心機能に差は認めなかったが，高負荷運動時に右心室群は心拍数の増加で対応しており左室群に比べVO2/HRが低値の傾向を示し心拍出量の低下が運動耐容能に影響している可能性が示唆された．【結論】右室群は左室群に比べ運動耐容の低下が示唆された．今後リハビリの有用性を検討して行いきたい．