[I-P3-1-02] 肺動脈吻合部狭窄症におけるPTA -心臓CTを用いた透視下3D Fusionが有用であった1例-
キーワード:心臓CT, 3D Fusion, EP Navigator
【背景】 先天性心疾患における手術は、手術時年齢、心肺の形態的状態や関連臓器の障害の有無や程度に大きな差異があり、術後血管解剖が複雑となっている。術後の診断方法の1つとして、心臓造影CT(心臓CT)が用いられ、血管解剖を詳細に把握することが可能となっている。当施設の血管撮影装置ではEP Navigatorというアプリケーションが導入されており、CT画像と透視画像を3D Fusionすることが可能である。【症例】 9歳女児。肺動脈閉鎖症に対して肺動脈血流を増加させるため外科的鎖骨下動脈と肺動脈吻合BT Shunt施行。その後VSDパッチ術及び肺動脈を人工血管で結ぶRastelli手術施行。通常の血行動態になったため、BT Shuntは閉塞。6ヶ月後に呼吸苦発症し受診。心臓CTにて左肺動脈吻合部狭窄が疑われ、PTAとなった。前回の診断カテーテル時では、血管走行が複雑で難渋し、透視時間86.4min、被ばく線量598mGy、造影剤量212mlであった。今回の症例は、医師とのカンファレンスにおいて、PTAではEP Navigator の3D Fusionにて画像支援を行うこととした。3D Fusionは心臓CTの3D画像を透視画像上に重ね合わせる3Dロードマップ機能である。術者は、透視上にカテーテルと心臓の解剖学的位置をリアルタイムに確認できる。またアームの動き、SID、inch、天板の位置変更にも追従する。Working Angleの決定、ワイヤー操作など、任意の血管をSegmentすることによって、造影剤を最小限で治療を行えるようリアルタイムに画像支援を行った。今回のPTAでは透視時間33.0min、被ばく線量264mGy、造影剤量102mlとすべての項目で、前回の診断カテーテルと比較し、被ばく線量、造影剤量ともに低減して治療終了となった。【まとめ】先天性心疾患における心臓CTは、カテーテル治療の適応、治療角度、デバイス決定などその役割は大きい。3DFusion画像を提供し、術中においても画像支援していくことが診療放射線技師として大切である。