[I-P3-5-05] 先天性心疾患合併肺高血圧における肺血流量変化に伴う肺血管抵抗-コンプライアンス関係
キーワード:肺循環, 時定数, Windkesselモデル
【目的】先天性心疾患合併肺高血圧(CHD-PH)の病態は左右短絡による肺血流増加・左心狭窄病変・肺血管床低形成・肺血管閉塞性病変の進行・肺胞低換気に伴う肺血管攣縮等の因子が交絡する。CHD-PHにおいて肺血管抵抗(Rp)-コンプライアンス(Cp)の相互関係と、反比例関係にあるそれらの積(時定数:RC time)の肺血流量増減に伴う変化を検討する。
【方法】肺高血圧合併(平均肺動脈圧>20mmHg)心室中隔欠損患者217例の心臓カテーテル検査結果からRpとCpを算出し、肺血流量変化に応じたRp、Cp、RC timeを比較検討した。Rp=[(平均肺動脈圧)-(左房圧)]/(肺血流心係数)(Wood単位・m2)、Cp=[(肺動脈収縮期圧)-(肺動脈拡張期圧)]/(肺1回拍出量)(mmHg/ml・m2)として算出した。
【結果】検査時年齢2.8 (1.7-4.4)か月、体重4.3 (3.7-5.3) kg、平均肺動脈圧:36 (28-43) mm Hg、肺血流量 (Qp):14.2 (11.6-17.6) L/min/m2、Rp: 1.95 (1.38-2.59) Wood unit・m2、Cp: 2.98 (2.42-3.88) mmHg/mL/m2、RC time: 0.35 (0.30-0.40) secondsであった。Qp増加に応じてRC timeは変化しなかったが(P=0.206)、lnRpとlnCpへ変換し直線回帰式とした場合、Qp増加に応じてlnRp-lnCp直線の傾きが大きくなったことから、Qp増加に応じてRp変化に比してCp変化がより大きく反映された。
【考察】CHD-PHにおいて、Qp増加に応じてRp変化よりもCp変化が大きくなることからCp変化がより肺循環状態を反映すると考えられ、肺循環評価においてRpとCpの両者を評価することが望ましい。
【方法】肺高血圧合併(平均肺動脈圧>20mmHg)心室中隔欠損患者217例の心臓カテーテル検査結果からRpとCpを算出し、肺血流量変化に応じたRp、Cp、RC timeを比較検討した。Rp=[(平均肺動脈圧)-(左房圧)]/(肺血流心係数)(Wood単位・m2)、Cp=[(肺動脈収縮期圧)-(肺動脈拡張期圧)]/(肺1回拍出量)(mmHg/ml・m2)として算出した。
【結果】検査時年齢2.8 (1.7-4.4)か月、体重4.3 (3.7-5.3) kg、平均肺動脈圧:36 (28-43) mm Hg、肺血流量 (Qp):14.2 (11.6-17.6) L/min/m2、Rp: 1.95 (1.38-2.59) Wood unit・m2、Cp: 2.98 (2.42-3.88) mmHg/mL/m2、RC time: 0.35 (0.30-0.40) secondsであった。Qp増加に応じてRC timeは変化しなかったが(P=0.206)、lnRpとlnCpへ変換し直線回帰式とした場合、Qp増加に応じてlnRp-lnCp直線の傾きが大きくなったことから、Qp増加に応じてRp変化に比してCp変化がより大きく反映された。
【考察】CHD-PHにおいて、Qp増加に応じてRp変化よりもCp変化が大きくなることからCp変化がより肺循環状態を反映すると考えられ、肺循環評価においてRpとCpの両者を評価することが望ましい。