[I-P3-6-01] 主要体肺動脈側副血行に対する肺動脈統合の治療成績と術後肺動脈に対する積極的カテーテル介入の効果
キーワード:Unifocalization, MAPCA, Catheter Intervention
【はじめに】MAPCAを合併したPAVSDに対しUFとFlow studyに基づくVSD閉鎖の判断による一期的根治術は良好な成績が示されている。一期的根治術に、術後の積極的なカテーテル介入を一連の治療とし、UF後の肺動脈を良好に保ち、右室圧上昇を軽減していくMaintenanceという概念のもと当院は治療を行ってきたので、今回、成績、カテーテル介入の有用性を検討した。【対象】2017年から2021年にMAPCAに対しUFをおこなった二心室症例22例を対象とした。そのうち術後脳合併症で死亡した1例、術後カテーテル検査を行えていない2例を除外し、19例を解析した。PAVSD14例、TOF2例、DORV3例で、22q11.2欠失症候群の合併が9例であった。手術時日齢は433日、術前体重は8kgであった。中心肺動脈の残存は17例、MAPCAの本数は3本、術前SpO2は81%であった。Flow studyは17例で行い、14例で一期的根治が可能であった。【介入】術後148日で初回カテーテル検査を行った。11例に対し同時にカテーテルインターベンション(CI)をおこなった。最終的に15例(78.9%)にCIをおこなった。4例が2回、3例が3回の介入を要した。【結果】術後RV/Aoは0.63であった。CI後RV/Aoは0.57と改善し、複数回介入が必要であった症例は、介入を繰り返すことで0.52、0.43と改善していった。CIを行った15例において、術後180日以内にCIを要したかどうかで比較をおこない介入後のRV/Aoに差はなかった。早期介入によって狭窄病変の閉塞を回避し、早期介入を要しなかった群と同等な結果であった。【考察】CIによって早期から積極的に肺動脈の狭窄の改善を図ることで、UF後の肺動脈開存を維持でき右室圧の低減につながると考えられた。