[I-P3-6-03] Taussig bing anomaryに対する外科的根治術の遠隔成績
Keywords:Taussig-bing anomary, Arterial switch, pulmonary stenosis
【背景】Taussig-Bing奇形(TBA)に対し、近年動脈スイッチ術による一期的修復術を推奨する報告もある一方、二期的修復を行う施設もあり、未だ見解は一致していない。当院では本疾患に対して一期的修復を基本としており、当院におけるTBAに対する外科治療の遠隔成績を方視的に検討した。【方法】1997年~2021年に当院でTBA(大血管関係がside by sideでPAが左室にoverrideしている症例)に対し根治術を行った14例を後方視的に検討した。冠動脈形態はShaher 1:5例、Shaher 9:1例、Shaher4:4例、その他4例だった。大動脈弓病変を8例(67%, CoA:6例, IAA:2例)に合併していた。12例で一期的治療を行い、2例で段階的治療(先行手術:PAB1例、CoA repair+PAB1例)を選択した。根治術時日齢は34.6±57.5日(7日~7カ月)、体重3.4±1.1kg(2.7~7.1kg)だった。人工心肺時間309±63分、大動脈遮断時間214±40分、Arterial switchにおける肺動脈再建はLecompte法:6例、Original Jantene法:8例だった。【結果】院内死亡は2例(1例:IAA repair+Arterial switch一期的修復後POD4にLOS、1例:CoA repair+Arterial switch 一期的修復後POD33病棟急変)。follow up期間8.0±5.5年で、遠隔死亡2例(1例:RVOTR後にLOSで死亡, 1例:心不全、冠動脈狭窄疑いによる突然死)で、術後遠隔期生存率は71.4%/15年だった。再手術は5例に5回(RVOR+PAP:3, RVOTR:1, 左気管支狭窄に対し外ステント留置:1)施行した。IVRはPSに対してBAPを4例に計10回施行した。またLecompte法を行なった6例のうち4例PSに対し外科的またはIVRによる介入を要した。右室流出路再介入回避率は71.3%/15年。最終受診時mild以上のARは1例(mild~moderate:1)だった。【結論】Taussig-Bing奇形に対する一期的修復術は妥当と思われた。Original法が遠隔期PS回避の点で有利であった。