[I-P3-6-04] PA/VSDの初回姑息術におけるDUNK法を用いたRV-PA shuntの有用性
キーワード:PA/VSD, RV-PA shunt, BTS
【緒言】PA/VSDは,初回姑息術として広くoff pumpでの体肺動脈シャント術が行われているが、近年pulmonary CoAに対しての早期介入の必要性やRV-PA shuntの有用性も報告されるようになっている。当院では2021年よりpulmonary CoAへの介入を必要とする症例についてDUNK法を用いた右室肺動脈導管を第一選択と方針を変更し、今回その早期成績について検討を行った。【方法】2021年より初回姑息術を施行したPA/VSDのうち、RV-PA shuntを施行した症例を対象として、術前状態、手術術式、術後臨床経過について検討を行った。なお、同時期に冠動脈走行異常からBTS+PA plastyを選択した症例が1例あった。【結果】対象は20210年1月~2022年2月までに初回姑息術でPV-PA shuntを施行したPA/VSD 5例。術式はRV-PA shunt+ PA plasty4例、RV-PA shunt + BTS + PA plasty1例であった。RV-PA shunt + BTS + PA plastyの症例はRV-PA shunt施行後、低酸素から人工心肺の離脱が困難でありBTSの追加を行った。手術時体重;3.6±0.4kg、手術時日齢;45±12日、手術死亡なし。術後カテーテル検査を施行したのは4例でRV-PA shunt例ではカテーテルインターベンションを要した例は0例、PAI 220.2±33.8、RpI 1.6±0.8であった。RV-PA shunt+ BTS例では術後high flow shockからPCPS装着を要し1日で離脱、また術後カテーテルインターベンションを要し、PAI=192.5、RpI 1.9であった。いずれも心内修復術待機中である。【結語】乳児期早期の姑息術は、種々の選択肢があるが、PA plastyと同時のRV-PA shunt術は人工心肺下で心停止が必要だが、周術期管理が安定しやすいという利点があり、安全に施行するとこができた。肺血管床の発育についてもPAI 220.2±33.8で左右のアンバランスな発育を認める症例もなく、良好に心内修復術に臨める値であった。今後、BTS例との比較検討が必要であるが、RV-PA conduitも有力な選択肢であると考える。