[I-P3-7-05] HLHS variantから2心室修復が可能となった僧帽弁異形成の1症例
Keywords:僧帽弁異形成, Alfieri, 二心室修復
今回我々は、高度僧帽弁異形成による僧帽弁狭窄と左室低形成、狭小大動脈弁のHLHS variantと診断され、2心室修復が可能となった症例を経験したので報告する。胎児エコーにて軽度大動脈弁狭窄と左室流出路狭窄を指摘されていた症例。出生後の心エコーにて大動脈弁狭窄、僧帽弁異形成(僧帽弁狭窄)からHLHS variantの診断となった。日齢15にHybrid手術室で両側肺動脈絞扼術を施行し、同時にPDAステントを挿入した。その後、僧帽弁狭窄の状態から僧帽弁逸脱による僧帽弁閉鎖不全の状態へと変化が見られた。それに伴い、左室容積は少し増え、大動脈弁に関しても正常弁輪径の70%程度の大きさに成長した。僧帽弁閉鎖不全を治療すれば、2心室修復が可能かもしれないと判断し、生後2ヶ月時に、僧帽弁に対してAlfieri法を用いて弁形成を行った。僧帽弁逆流はtrivialまで減少し、僧帽弁狭窄は認めなかった。僧帽弁の形態異常から左室流出路狭窄の懸念もあったが、左室流出路狭窄もごく軽度であった。2心室修復が可能と判断し、生後6ヶ月でPDAステント抜去及びPDA ligation、両側肺動脈形成、心房中隔欠損孔閉鎖を行った。気管軟化の問題があり気管切開となったが、現在は自宅退院となっている。僧帽弁異型性、左室低形成から2心室修復に達するのは、まれであり、文献的考察を加えて報告する。