The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

外科治療

ポスター発表(I-P3-7)
外科治療 III

Thu. Jul 21, 2022 4:20 PM - 5:20 PM ポスター会場

座長:川﨑 志保理(順天堂大学 心臓血管外科)
座長:帯刀 英樹(宮城県立こども病院 心臓血管外科)

[I-P3-7-07] フォンタン術後の胸水遷延因子についての検討

山本 隆平, 松原 宗明, 今中 佑紀, 梶 翔馬, 山嵜 肇, 加藤 秀之, 平松 裕司 (筑波大学附属病院 心臓血管外科)

Keywords:TCPC, 胸水貯留, 胸腔ドレーン

【目的】Fontan手術のmorbilityは近年安定してきているが,不良例も散見され,その一つに術後胸水貯留遷延があげられる.Fontan術後胸水貯留因子は,様々な報告があるが,一定の見解があるとはいえない.今回当院で施行されているExtracardiac TCPC術後の胸水貯留遷延因子について後方視的に検討した.【対象】2013年4月~2021年12月に施行されたExtracrdiac TCPC手術例:38例.ドレーン抜去までに再手術を施行された症例や抜去前に死去した症例は除いた.そのうち,胸水ドレナージが8日以上必要だったL群と7日以下であったS群の2群に分け,検討を加えた.【結果】平均年齢は3.1(1.8-7.6)歳,体重は12.0(9.7-17.3)kg.疾患はSV:5例,TA:6例,AVSD:4例,DORV:6例,HLHS:7例,PA/IVS:4例,その他:6例で,asplenia:2例,down症候群:1例であった.手術は全例心外導管を用いたTCPCで,心拍動下に心外導管を縫着した.10例にfenestrationをおき、3例は心停止下に心内操作を加えた.ドレーン留置期間は5-56日(中央値8日).L群:15例,S群:23例,単変量解析にて,右心系体心室,術前の肺動脈圧・肺血管抵抗・PA index,体外循環時間,fenestration・心内操作症例などには有意差はなく,手術時年齢(P=0.023),術後人工呼吸器装着時間(P=0.008),術後CVP(P=0.004),術前後のIVC圧差(P=0.003)が有意であった.これらの結果から,IVC圧が手術により大きく変化し,胸水貯留の遷延に影響を及ぼしている可能性があり,積極的な利尿や,早期抜管などにより,術後早期の中心静脈圧を低値に押さえることが重要だと考えられた.