[I-P3-7-11] Apicocaval Juxtaposition の Fontan症例に対するIpsilateral SVC-IVC心外導管の経験
キーワード:Fontan手術, Apicocaval Juxtaposition, Extracardiac TCPC
【背景】Apicocaval Juxtaposition症例に対するExtracardiac TCPCにおいて,心外導管の最適なrouteは確立しておらず,症例ごと解剖に応じて決めているのが現状である.我々は,IVCから心尖部の後方を通して同側のSVC(またはグレン吻合部位)に端側吻合する心外導管routeを用いた2症例を経験したので報告する.【症例】1.3歳,10.7kg,女児.Kabuki症候群を伴う左心低形成症候群.Situs SolitusのDextroversionのためにApicocaval Juxtapositionの形態であった. 2.1歳5ヶ月,11.7kg,男児. Criss-Cross Heartの両大血管右室起始症(肺動脈弁下VSD+右室流出路狭窄).Situs InversusのlevocardiaにてApicocaval Juxtapositionを呈していた.【手術】2症例とも人工心肺使用,心拍動下にePTFE tube graftを心外導管に用いた.症例1はグラフトをIVC cuffと吻合し,心尖部の後方,心室の側面を通しながら同側SVCの側面に端側吻合した.症例2はSVC切開を肺動脈まで延長し,中枢側の端側吻合の後に心室側面心尖部後方を通してIVC cuffに吻合したのちに左肺動脈形成を追加した.2症例とも手術室で抜管,いずれもCVP10mmHg前後で良好に経過し,それぞれ術16日および23日目に退院した.術後画像評価にてFontan Pathwayの狭窄はいずれも認めなかった.【結語】長期follow-upと血流解析が必要ではあるが,Apicocaval Juxtaposition症例の心外導管routeとして,同側のSVCを吻合に利用するIpsilateral SVC―IVC心外導管は有用な方法と考えられた.