[I-PD01-03] 小児に対するビソプロロール貼付剤の使用経験
Keywords:ビソプロロール, 貼付剤, βブロッカー
【背景】2013年にビソプロロール貼付剤が本邦で発売開始となった。適応は成人の高血圧および頻脈性心房細動であり現時点で小児適応はないが、当院では保護者に説明のもと小児の頻拍症や高血圧などに対して使用しており、使用経験について報告する。【対象】2015年10月~2022年4月の間にビソプロロールテープを使用した15歳以下の25例【結果】男児19例、女児6例、開始時平均月齢は17.8ヶ月(0-103ヶ月), 平均体重は7.9kg(1.9-21.8kg)。使用目的は頻脈性不整脈18例(上室性頻拍11例、心室性頻拍4例、接合部頻拍3例)、川崎病急性期の降圧及び脈拍コントロール5例、高血圧1例、抗心不全目的1例。投与時にはテープを切って使用し、初期投与量は0.25mg~4mg(中央値1mg)、体重換算にすると平均で0.15mg/kg/doseであった。不整脈の治療においてランジオロールからの切り替えが8例、他剤との併用が11例(アミオダロン8例、プロカインアミド2例、フレカイニド1例)あったが全例で頻拍のコントロールは可能であった。副作用は、心機能低下により減量を要したものが1例、湿疹のため内服に変更したのが2例であった。原疾患による死亡を2例に認めた。平均投与期間は14ヶ月(1-51ヶ月)であった。【考察】小児においてもビソプロロールテープは有効かつ安全に使用可能と考えられる。特に内服困難な乳幼児において安定した血中濃度を維持できるメリットがあり、遺伝性不整脈での発作予防についても有効性が期待できる。