The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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パネルディスカッション

パネルディスカッション3(I-PD03)
移行期医療

移行期医療支援センターの現況と課題を本音で語る!

Thu. Jul 21, 2022 2:55 PM - 3:55 PM 第2会場 (大ホールA)

座長:坂本 喜三郎(静岡県立こども病院 心臓血管外科)
座長:三浦 大(東京都立小児総合医療センター 循環器科)

[I-PD03-01] 移行期医療支援センターの設置状況と期待される役割

落合 亮太1, 秋山 直美1, 檜垣 高史2 (1.横浜市立大学 医学部 看護学科, 2.愛媛大学大学院 医学系研究科 地域小児・周産期学講座)

Keywords:移行期医療, 成人移行支援, 社会福祉制度

2014年、日本小児科学会は「小児期発症疾患を有する患者の移行期医療に関する提言」を発表した。以降、関連学会から各種提言・ガイド、手引書が発表されている。先天性心疾患領域では2017年に日本小児循環器学会を含む関連8学会合同で「先天性心疾患の成人への移行医療に関する提言」が公表され、2022年には第3版まで更新されている。
2017年、厚生労働省より移行期医療を総合的に支援する機能をもつ移行期医療支援センターを各都道府県に設置する旨が通達された。しかし、移行期医療支援センターは、2021年12月時点で全国7都府県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、長野県、静岡県、大阪府)設置に留まる。また、日本成人先天性心疾患学会認定修練施設の責任者を対象に、移行期医療支援センターに期待される役割を尋ねた質問紙調査では、「患者に利用できる医療費助成制度を知ってもらう」「患者に利用できる福祉制度を知ってもらう」「患者に自身が成人期以降も受診できる医療機関を知ってもらう」「患者が就職に関して相談できる機会を持つ」「患者が進学に関して相談できる機会を持つ」など、社会・福祉的支援に関する期待が高いことが示されている。
移行期医療に関する診療報酬は算定されていない2022年7月現在、移行期医療支援センターは貴重な公的事業である。移行期医療支援の進む先天性心疾患領域の関係者が移行期医療支援センターに積極的に関与し、医療費助成を含む社会福祉制度の活用や、進学・就労などに関する専門機関との連携を推進することが望まれる。