[I-PL-01] 小児循環器医師としての40年-肺高血圧とともに-
Keywords:pulmonary vascular pressure-flow(P-F)relationship, 吸入NO, 静注PGI2
医師7 年目にASD, PAPVR, severe PH の乳児に、薬物負荷を施行し急性効果を認めたα-blockerを投与していたが、1歳直前にPH crisisで急死した。その頃からPH に関心が高くなった。1990 年頃米国で吸入NOのPH に対する急性効果、その前から欧州で静注PGI2 のPPHに対する慢性効果が示され始めていた。
医師14年目に、国立小児病院の高田正雄先生(英国Imperial Collage教授)のもとで、ミニブタ単離灌流肺を用いた基礎研究を始めた。吸入NO、静注SNP とNTG の効果を、double occlusion法 とpulmonary vascular pressure-flow(P-F)relationshipによるcritical closing pressureとincremental resistance の解析から、拡張効果部位を比較検討した。海外のAmerican Thoracic Society(ATS)で初めて発表した時は大いに興奮した。
1995年から3年間米国留学し、慢性PHビーグル犬を使用したin-vivo 実験により低酸素性肺血管収縮の機序を、肺動脈平滑筋培養細胞を使用したin-vitro 実験により[Ca2+]i ハンドリングの新事実を突き止めた時は、天にも昇る高揚感を味わった。
帰国後の基礎研究ではmonocrotaline PH rat の肺動脈内皮細胞を使用し、内因性NOS阻害物質の増加、L-arginine を器質とするArginase 活性の上昇、NOS 活性の低下を証明した。臨床研究では、乳児左右短絡疾患児でPulmonary Vascular P-F relationship を描出し、Down 症候群児の肺血管特性としてcritical closing pressure が高く、より末梢の肺細小動脈リモデリングが術後残存肺高血圧に関与していることを示した。
1998 年に25年ぶりに再開されたWorld symposiumは、その後現在まで5年に1度開催され、臨床面で標的治療薬の選択肢が増えPH診療は大いに進歩し、患児の予後も大きく改善してきた。しかし現在でも完治に至る症例は数少なく、小児におけるレジストリや診療ガイドライン作成にも力を入れていきたい。
医師14年目に、国立小児病院の高田正雄先生(英国Imperial Collage教授)のもとで、ミニブタ単離灌流肺を用いた基礎研究を始めた。吸入NO、静注SNP とNTG の効果を、double occlusion法 とpulmonary vascular pressure-flow(P-F)relationshipによるcritical closing pressureとincremental resistance の解析から、拡張効果部位を比較検討した。海外のAmerican Thoracic Society(ATS)で初めて発表した時は大いに興奮した。
1995年から3年間米国留学し、慢性PHビーグル犬を使用したin-vivo 実験により低酸素性肺血管収縮の機序を、肺動脈平滑筋培養細胞を使用したin-vitro 実験により[Ca2+]i ハンドリングの新事実を突き止めた時は、天にも昇る高揚感を味わった。
帰国後の基礎研究ではmonocrotaline PH rat の肺動脈内皮細胞を使用し、内因性NOS阻害物質の増加、L-arginine を器質とするArginase 活性の上昇、NOS 活性の低下を証明した。臨床研究では、乳児左右短絡疾患児でPulmonary Vascular P-F relationship を描出し、Down 症候群児の肺血管特性としてcritical closing pressure が高く、より末梢の肺細小動脈リモデリングが術後残存肺高血圧に関与していることを示した。
1998 年に25年ぶりに再開されたWorld symposiumは、その後現在まで5年に1度開催され、臨床面で標的治療薬の選択肢が増えPH診療は大いに進歩し、患児の予後も大きく改善してきた。しかし現在でも完治に至る症例は数少なく、小児におけるレジストリや診療ガイドライン作成にも力を入れていきたい。