第58回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム02(I-SY02)
胎児心エコー検査ガイドライン改定を今後の診療に活かすために

2022年7月21日(木) 16:00 〜 17:30 第2会場 (大ホールA)

座長:石井 陽一郎(大阪母子医療センター 小児循環器科)
座長:金 基成(神奈川県立こども医療センター 循環器内科)

[I-SY02-02] 産婦人科におけるスクリーニングの現状

吉松 淳 (国立循環器病研究センター 産婦人科)

キーワード:胎児心エコー, スクリーニング, 先天性心疾患

胎児心エコースクリーニングは妊娠期間中に行われるため、多くは妊婦健診のタイミングで産婦人科医によって行われる。産婦人科医の胎児新エコーに対する興味は年々高まっている。日本胎児心臓病学会が認定する胎児心エコー認証医は2020年に産科医の数が小児科医の数を逆転した。胎児心エコー検査ガイドライン第2版では「レベル1では原則としてすべての妊婦を対象にする。(中略)レベル1は、妊婦健診を行う産科医、もしくは産科医に指示されたレベル1の経験を有する超音波検査士、臨床検査技師、診療放射線技師、看護師、助産師が行う資格を有する。」とされており、必ずしも胎児心エコー認証医の資格を求めていない。しかし、スクリーニングはレベル2への入り口であり、一定の知識と技術が求められる。つまり、スクリーニングの技術や見るべきポイントはレベル2に比べれば難易度は低いが、そこで見つけ出されなければレベル2の検査を受ける機会を失い、重要度がレベル2と同等、もしくは高い。現状、産婦人科医のスクリーニングレベルがどの程度であるかを知るデータはない。日本胎児心臓病学会ではスクリーニング委員会を立ち上げ、その現状評価から精度向上に向けての活動を始めた。日本の分娩の3/4は周産期センター以外の施設で取り扱われている。その環境の中でどのような働きかけができるのか、日本胎児心臓病学会として重要な課題と認識している。