[I-SY03-01] 医師の働き方改革2024年問題の概要とアンケート報告
Keywords:医師の働き方改革, 2024年問題, アンケート
【緒言】2019年の労働基本法改訂により「働き方改革関連法」が制定され、時間外労働時間の上限が設けられた。【方法】2回目のWEB調査(2022年)を施行した。質問項目は、時間外労働時間、「働き方改革関連法」の認識状況、方策の成功事例である【結果】1. プロフィール:回答672名(28%)、大学289・専門病院145・市中病院196、心臓血管外科116・小児循環器内科386・集中治療・麻酔科23、立場は管理職10%、部長29%、スタッフ51%、専攻医11%だった。2.働き方改革関連法の認識状況:過半数の医師が知らない状況で、時間外労働時間の上限を知るのは35%と認知度が低く、対策開始は7%にとどまった。 3.少数の施設より以下のような対策が紹介された。1) タスクシフト:A 医師事務作業補助者の育成と配置: 書類作成・データベース・患者への電話連絡・カルテ入力の一部等の事務作業 B 診療情報管理士との連携による総回診資料作成、入力情報の収集をふくむデータベース業務、書類作成をふくむ診療情報提供・照会業務、循環器心臓外科の術前カンファレンス資料作成、術式・診断名など記載内容のゆらぎ解消や標準化をふくむ手術データベースの保守運用管理 C 電子カルテシステムや部門システムからの学会、論文発表用の匿名化キーとの紐づけによる臨床データ抽出など、新たな業務委託をふくむ実省力効果の高いタスクシフトが可能な体制の整備 D 認定看護師(救急や創傷)の配置 E 認定薬剤師の配置 F MEの手術助手等 2)集中治療科の術後管理・循環器重症患者を含めたPICU入室患者の診療 3) Independent doctorには出勤・退勤時間を部署内の規程に任せて自由に時間調節可 【結語】時間外労働の減少に対する意識を高め、有効な方策をたてて良質な医療体制を学会全体でとりくむことが求められる。