[I-SY04-02] 小児循環器疾患の緩和ケア
キーワード:小児, 緩和ケア, 心不全
WHOは2002年の提言で,緩和ケアを「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価し対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである」と定義した。
循環器疾患ではがんとは異なり、緩解と増悪を繰り返し悪化していくため、緩和ケアの導入の時期の決定が困難である。本邦における循環器疾患に対する緩和ケアは,2017年の日本循環器学会による「急性・慢性心不全診療ガイドライン」にその必要性が明記され、心不全診療の中に徐々に組み込まれつつある。さらに2021年には日本循環器学会・日本心不全学会合同ガイドラインとして「循環器疾患における緩和ケアについての提言」が発行され、成人先天性心疾患についても留意点が述べられており参考となる。
小児領域では、2021年に日本緩和医療学会より、緩和ケアチームの活動の手引き~成人患者を主に診療している緩和ケアチームが小児患者にかかわるためのハンドブック~が発行され、循環器疾患を含む非がん疾患についても言及されている。こどもは成長・発達する存在であり,こどものコミュニケーションレベルを把握し、それに応じた緩和ケア・治療のアプローチが必要である。さらには,こどもの死亡は圧倒的に少ない、症状の個別性が高い、代理意思決定が必要であることが多い、終末期や機能的な予後の予測が難しい、兄弟支援が必要である、など成人との違いは多岐にわたる。小児では最後まで積極的治療が行われやすい特徴もあり、治療医の緩和ケアに対する知識も十分とは言えない。
小児循環器疾患に対する緩和ケアは、循環器疾患、小児いずれの面からみても明確な指針は示しにくい。近年、当学会でも緩和ケアの報告や論文が発表されており、ケアの提供について臨床現場での実践知やエビデンスの構築が今後求められる。
循環器疾患ではがんとは異なり、緩解と増悪を繰り返し悪化していくため、緩和ケアの導入の時期の決定が困難である。本邦における循環器疾患に対する緩和ケアは,2017年の日本循環器学会による「急性・慢性心不全診療ガイドライン」にその必要性が明記され、心不全診療の中に徐々に組み込まれつつある。さらに2021年には日本循環器学会・日本心不全学会合同ガイドラインとして「循環器疾患における緩和ケアについての提言」が発行され、成人先天性心疾患についても留意点が述べられており参考となる。
小児領域では、2021年に日本緩和医療学会より、緩和ケアチームの活動の手引き~成人患者を主に診療している緩和ケアチームが小児患者にかかわるためのハンドブック~が発行され、循環器疾患を含む非がん疾患についても言及されている。こどもは成長・発達する存在であり,こどものコミュニケーションレベルを把握し、それに応じた緩和ケア・治療のアプローチが必要である。さらには,こどもの死亡は圧倒的に少ない、症状の個別性が高い、代理意思決定が必要であることが多い、終末期や機能的な予後の予測が難しい、兄弟支援が必要である、など成人との違いは多岐にわたる。小児では最後まで積極的治療が行われやすい特徴もあり、治療医の緩和ケアに対する知識も十分とは言えない。
小児循環器疾患に対する緩和ケアは、循環器疾患、小児いずれの面からみても明確な指針は示しにくい。近年、当学会でも緩和ケアの報告や論文が発表されており、ケアの提供について臨床現場での実践知やエビデンスの構築が今後求められる。