The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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会長要望セッション

会長要望セッション3(I-YB03)
Blalock-Taussigシャントと動脈管ステントの将来

Thu. Jul 21, 2022 8:40 AM - 10:10 AM 第5会場 (中ホールB)

座長:松久 弘典(兵庫県立こども病院 心臓血管外科)
座長:矢崎 諭(榊原記念病院 小児循環器科)

[I-YB03-01] 体肺動脈shuntの有害事象に影響を及ぼす因子の検討

篠原 玄, 中野 俊秀, 安東 勇介, 平野 暁教, 藤田 周平, 原田 雄章, 荒木 大, 角 秀秋 (福岡市立こども病院 心臓血管外科)

Keywords:systemic to pulmonary shunt, heterotaxy, adverse outcome

【目的】体肺動脈shunt(SPS)は依然高い死亡率が報告されている。当院での現在の成績を検討した。
【対象】2014年11月以降2021年12月に施行した新生児・乳児期の初回SPS192例(NorwoodとRV-PA shuntは除外)。
【方法】急性期イベント(AE:入院中の心停止・ECMO、緊急再開胸、shunt再介入、他の致死的事象)、手術死亡、病期間死亡の危険因子を検討した。
【症例背景】TOF42, Heterotaxy35, PAIVS34, PAVSD27, Ebstein11, 他43例、日齢47(中央値)、新生児55例、BW3.4kg、遺伝的症候群・心臓外形態異常36例であった。
【手術】Central 135, BT56, 併施1例、shunt径:3mm28,3.5mm88, 4mm以上76例、shunt径/BW比1.06、手術時肺血流調整:shunt clip53, mPAB14, mPA閉鎖10例、CPB使用132例、同時手術:PA形成39, ASD拡大35, TAPVC修復12, Starnes11, Open Brock11例。
【結果】AEは31例(16%)で、うちshunt関連AEは24例(肺血流過多(POC)15, shunt閉塞3, 狭窄1, PA狭窄3, 他のshunt不全2)であった。非shunt関連AE(7例:PVO2, 不整脈2, MPACA血流過多1, 他2)はHeterotaxyと関連していた。POCによるAE(POD0~1発症80%)は単心室修復、術後BASと関連していた。30日死亡2例(1%:high flow shock1/転院後突然死1)、院内死亡5例(2.6%:high flow shock1(先述)/心不全1/不整脈1/感染1/肝不全1)であった。
シャント以降の転帰はBVR/BDG到達155/待機症例15/病期間死亡22例であった。累積病期間死亡率は30日1.0/90日3.1/150日3.7%で、単変量回帰ではHeterotaxy、主心室RV、単心室修復、PA形成、房室弁形成、TAPVC修復、非shunt関連AE、不整脈関連AEと関連し、cox多変量回帰では非shunt関連AE、単心室修復、PA形成と有意に関連していた。
【考察】SPSの手術死亡は過去の報告に比し低率であったが、心形態を問わず術直後の肺血流過多による急性期イベントとHeterotaxyに伴う潜在的な合併心病変への対応が引き続き課題となっている。