[II-OR24-01] 成人先天性心疾患の重症心不全患者の人生の最終段階における望ましい医療についてー患者アンケート調査の結果報告―
キーワード:成人性先天性心疾患, 終末期医療, アドバンスケアプランニング
【目的】成人先天性心疾患で重症心不全を患っている方々にとって、人生の最終段階においての治療選択に関して、人生の最後を自分らしく過ごすための方法について調査する必要があると考え、アンケート調査を実施した。【方法】令和 2年 9月令和から令和3年8月の期間に成人先天性心疾患学会認定修練施設への郵送法にて実施。調査項目は、人生の最終段階における治療方針の決定について1)相談する相手は?2)過ごしたい場所は?3)希望する治療方針は?4)意思表示の書面作成は?5)最終段階とはいつの時期ですか?などについて質問をした。【成績】6施設より回答患者数35名であった。男性12名、女性23名。年齢別では10歳台 1名、20歳台17名、30歳台8名、40歳台6名、50歳台2名、60歳台1名。婚姻者ありが17名で子供ありが14名。手術歴ありが17名、無しが18名。心不全入院歴ありが6名、無しが29名であった。調査項目については1)相談する相手は?婚姻者が一番多く、その次は両親であったが、子供がいる人は両親よりも子供の相談比率が高かった。2)過ごしたい場所は?自宅が一番多かった。3)希望する治療方針は? 内科的治療の希望者が多かった。4)意思表示の書面作成は?31名が書面作成をすると回答した。5)最終段階とはいつの時期ですか?で一番多い意見は治療選択がなくなった時11名、生活が困難となった時6名、余命宣告された時4名であった。【結論】人生の最終段階に於いて、多くの患者(88.6%)が書面作成を行うと回答した。但し、最終段階での書面作成が困難であることが予想される場合は最終段階以前に作成するとの回答が認められたり、手術歴が増えるほど自宅で過ごしたいとの意見が多くなったり、人生の最終段階に於いては、患者一人一人で様々な治療選択の希望があることが判明した。人生の最終段階において、患者がどのような治療を希望するかを調査することがとても重要であると思われた。