[II-OR24-03] 当院での小児慢性心不全緩和ケアチームの取り組み
キーワード:緩和ケア, advance care planning, palliative care
【背景】当院では2020年度から既存の院内緩和ケアチーム、小児循環器医、緩和ケア専門看護師で構成された小児心不全緩和ケアチームを立ち上げ、多職種カンファレンスや院内勉強会を行っている。
【目的】チーム立ち上げ後の取り組みを振り返り、課題を明らかにする。
【方法】対象は2020年度4月からカンファレンスを行った11例。これらは心不全入院が2回以上/年、あるいは主治医が積極的な緩和ケアが必要と判断した症例とした。心不全症状を強く認める場合、IPOS(Integrated Palliative care Outcome Scale)を用いて身体/精神状態の評価を行い、症状改善が困難であると判断した場合は持続鎮静やオピオイドの使用を検討した。オピオイド(OD)の使用、Advance care planning(ACP)の方法を、診療録から後方視的に検討した。
【結果】年齢0歳-36歳。小児7例、成人4例。外来2例、入院中9例。IPOSで評価を行ったものは6例。8症例でOD投与が実施され、1例は身体症状改善後にODを終了し退院。死亡症例では死亡前日~78日前に投与が開始された。合併症は便秘以外認めなかった。ACPについては、 成人3症例では事前指示書を作成した。事前指示書を作成することで、終末期に過ごしたい場所や普段の生活を見直す契機となり、患者本人から厳しい現状であることを初めて認識したという発言もあった。訪問看護、訪問医を新たに導入し、勤務形態や退職に伴う金銭補助制度を斡旋した。DNARの確認では、大半がDNARを希望されたが、小児例においてはご両親の強い希望があり心停止時に胸骨圧迫を行った症例も認めた。
【結論】カンファレンスを行うことで、新たな問題点を見つける糸口となり、また本人に改めて病状を伝えるタイミングになった。若年者へのACPの方法や、その後の精神サポート、持続鎮静時の適正評価などが今後の課題である。当院における小児慢性心不全緩和ケアは発展途上であり、今後も継続した緩和ケア教育が重要と考える。
【目的】チーム立ち上げ後の取り組みを振り返り、課題を明らかにする。
【方法】対象は2020年度4月からカンファレンスを行った11例。これらは心不全入院が2回以上/年、あるいは主治医が積極的な緩和ケアが必要と判断した症例とした。心不全症状を強く認める場合、IPOS(Integrated Palliative care Outcome Scale)を用いて身体/精神状態の評価を行い、症状改善が困難であると判断した場合は持続鎮静やオピオイドの使用を検討した。オピオイド(OD)の使用、Advance care planning(ACP)の方法を、診療録から後方視的に検討した。
【結果】年齢0歳-36歳。小児7例、成人4例。外来2例、入院中9例。IPOSで評価を行ったものは6例。8症例でOD投与が実施され、1例は身体症状改善後にODを終了し退院。死亡症例では死亡前日~78日前に投与が開始された。合併症は便秘以外認めなかった。ACPについては、 成人3症例では事前指示書を作成した。事前指示書を作成することで、終末期に過ごしたい場所や普段の生活を見直す契機となり、患者本人から厳しい現状であることを初めて認識したという発言もあった。訪問看護、訪問医を新たに導入し、勤務形態や退職に伴う金銭補助制度を斡旋した。DNARの確認では、大半がDNARを希望されたが、小児例においてはご両親の強い希望があり心停止時に胸骨圧迫を行った症例も認めた。
【結論】カンファレンスを行うことで、新たな問題点を見つける糸口となり、また本人に改めて病状を伝えるタイミングになった。若年者へのACPの方法や、その後の精神サポート、持続鎮静時の適正評価などが今後の課題である。当院における小児慢性心不全緩和ケアは発展途上であり、今後も継続した緩和ケア教育が重要と考える。