The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

一般心臓病学

ポスター発表(II-P4-1)
一般心臓病学 II

Fri. Jul 22, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場

座長:野村 裕一(鹿児島市立病院 小児科)
座長:前野 泰樹(聖マリア病院 新生児科)

[II-P4-1-02] 長時間作用型ループ利尿薬は先天性心疾患術後患者の脳性ナトリウム利尿ペプチドを改善させうる

安田 謙二, 中嶋 滋記 (島根大学 医学部 小児科)

Keywords:先天性心疾患, 長時間作用型ループ利尿薬, 脳性ナトリウム利尿ペプチド

【背景】心不全患者では、長時間作用型ループ利尿薬(LAL)のazosemideやtorasemideが、短時間作用型ループ利尿薬のfurosemideに比べて、心不全の予後改善に寄与する可能性が示されている。一方先天性心疾患(CHD)術後患者における効果は明らかでない。【目的】CHD術後患者におけるLALの効果を検討すること。【対象と方法】当科でLALの処方を受けているCHD術後患者18名(男性6名(33%)、年齢中央値20(四分位範囲14~30)歳、経過観察期間中央値52(四分位範囲5~96)か月)。臨床像を診療録から後方視的に検討した。さらにLAL導入前、導入後早期(中央値1か月)、導入後遠隔期(11例、中央値14か月)における除脂肪体重、推定plasma volume status、推定糸球体濾過量、Na値、K値、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値の推移を反復測定分散分析およびWilcoxonの符号付順位検定で検討した。【結果】二心室修復12例、体心室右室1例、単心室血行動態3例、未修復2例。azosemide 9例(50%)、torasemide 9例、furosemide換算の投与量は中央値0.3(四分位範囲0.2~0.4)mg/kg/日。他の利尿薬からの変更が12例(67%)、新規利尿薬導入が6例。経過観察中に死亡なし、心不全の増悪による予定外入院、手術、経カテーテル的治療(カテーテルアブレーションを含む)を要したものは5例(28%)であった。BNP値は経時的に低下する傾向があったが(p=0.0512)、これ以外の指標に統計学的に有意な変化はなかった。【まとめ】CHD 術後患者においてもLALは体うっ血や腎機能の悪化、電解質異常を伴わず、BNP値を改善させる可能性が示唆された。