The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

画像診断

ポスター発表(II-P4-2)
画像診断 III

Fri. Jul 22, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場

座長:唐澤 賢祐(唐澤医院 / 日本大学 小児科)
座長:東 浩二(千葉県こども病院 循環器内科)

[II-P4-2-01] 無脾症の心基部対称性と総肺静脈還流異常症の関連

冨田 宜孝, 宗内 淳, 江崎 大起, 小林 優, 山田 洸夢, 杉谷 雄一郎, 渡邉 まみ江 (JCHO九州病院 小児科)

Keywords: 無脾症, 総肺静脈還流異常症, 右側相同

【目的】左右決定軸異常から右側相同を特徴とする無脾症では複雑型先天性心疾患を生じる。特に総肺静脈還流異常(TAPVC)は20-50%に合併し予後不良因子の一つとされる。多様で複雑な心形態の中でTAPVC合併に関連する更なる解剖学的特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】2007-2022年に診療した無脾症患者のうち、外科的治療介入前に造影CTが撮像されていた例を対象とした。造影CT所見をもとに心形態の左右対称性、特に心基部横断面において大動脈、肺動脈、心耳を含む心基部の形態的左右対称性を評価した。大動脈と肺動脈が前後に位置し、それらを挟侍するように左右心耳が位置する場合を左右対称とした。TAPVC合併例と非合併例において心基部対称性を比較した。【結果】無脾症30例(女16例)を対象とした。心房位正位11例、逆位19例であった。房室不一致は17例(57%)、心室大血管不一致は26例(87%)に認めた。心内形態は右心型単心室10例(33%)、不均衡房室中隔欠損6例(20%)、均衡型房室中隔欠損14例(47%)であり、肺動脈狭窄17例(57%)、肺動脈閉鎖11例(37%)(うち主肺動脈欠損10例)、両側上大静脈14例(47%)であった。20例(67%)がGlenn術に到達し、うち14例(47%)がFontan術へ到達した。死亡7例(23%)であった。TAPVC(心外型)合併例(n=18)と非合併例(n=12)において、心基部左右対称であったものは、それぞれ12例(40%)vs.2例(67%)であり、TAPVC合併例は有意に心基部左右対称であった(P=0.011)。また心基部左右対称かつ両側上大静脈であればTAPVCが必発で(n=8)、両者の存在はTAPVCのための十分条件であった。他の心室形態や肺動脈閉鎖の有無、予後は2群間に有意差はなかった。【結論】心基部左右対称性は両側右心房形態の特徴をより鮮明とし無脾症におけるTAPVC合併の十分条件となる。心基部左右対称性は無脾症患者におけるTAPVC合併の指標となる。