[II-P4-2-05] DORV・TGA疾患群の術式決定ツールとしてIntra-Cardiac 3D imageは有用か?
キーワード:DORV, TGA, 造影CT
【背景】DORV/TGA疾患群は、reroutingの可否が治療方針決定に影響するため、心内形態の正確な把握が必要である。従来の画像診断からの経験的な術前判断では、術中に術式変更を要する場合があり、より精度の高い評価法が望まれている。【目的】DORV/TGA疾患群における術式決定ツールとして、心内立体構造の3次元的評価・可視化に優れるIntra-Cardiac 3D image(IC image)の有用性を検討した。【方法】2012年1月から2022年1月にDORV及びTGA(3型)に対して二心室修復(BVR)及び単心室修復(UVR)を施行した14例のうち、術前造影CTで心内形態を評価した8例を対象とした。SYNAPSE VINCENT(FUJIFILM)を用いて、後方視的にCTデータからIC imageを作成し検討を行った。評価項目は、1.VSD位置(LEV分類)、2.術後左室流出路狭窄リスク評価として、二次室間孔/左室流出路径比とした。【結果】1.VSD位置(心内検索を行わなかった2例を除いた6例)は、IC imageが術中所見と100%(6/6)一致に対し、心臓超音波検査は66%(4/6)であった。2.二次室間孔/左室流出路径比の中央値は、BVR群5例で1.29(IQR:0.84-1.32)、UVR群3例では1.59(IQR:1.48-2.65)であった。【結論】DORV/TGA疾患群におけるIC image評価は、解剖学的再現性に優れている印象があり、術式決定ツールとしての可能性が高いことが示唆された。二次室間孔/左室流出路径比は術後左室流出路狭窄のリスク評価としての有用性は、症例を重ねて検討する価値があると考えている。