The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

画像診断

ポスター発表(II-P4-2)
画像診断 III

Fri. Jul 22, 2022 3:30 PM - 4:30 PM ポスター会場

座長:唐澤 賢祐(唐澤医院 / 日本大学 小児科)
座長:東 浩二(千葉県こども病院 循環器内科)

[II-P4-2-07] 当科の心臓カテーテル検査における放射線被ばくの変遷

鈴木 大, 宮森 拓也, 六郷 由佳, 木村 正人, 小澤 晃, 田中 高志 (宮城県立こども病院 循環器科)

Keywords:被ばく, 基準空気カーマ, 面積空気カーマ積算値

【はじめに】放射線を使用する画像検査はALARA(as low as reasonably achievable)の原則に則って行うべきとされている。当科の心臓カテーテル検査の被ばくの現状を検討した。【方法】2015年にアンギオ装置がSIEMENS社のAXIO Artis BAからArtis Q.zenに更新され、DetecterがImage intensifierからクリスタルシリコンを使用したFPDとなった。更新直前の3年間を前期(F群)、更新後直近の3年間を後期(S群)として、当科の心臓カテーテル検査における透視時間、基準空気カーマ(Ka,r)、面積空気カーマ積算値(PKA)を比較検討した。また日本の診断参考レベル(Japan DRLs 2020)を参考に、被ばく線量が適当であるかどうかも検討した。【結果】件数はF群674件、S群934件、平均年齢はF群3.9±4.9歳、S群3.9±4.4歳であり、そのほか体重、男女差などに有意差を認めなかった。透視、撮影の条件(フレームレート、管電圧、グリッドの使用など)は同一であった。透視時間はF群29.0分(中央値 21.1分)、S群31.9分(中央値 22.7分)と有意差を認めないものの、S群のほうが長い傾向があった(p=0.068)。Ka,rは有意差をもってS群が低く(平均56.3 vs 49.9 mGy, p<0.0001)、PKAも低い傾向があった(平均7.3vs 6.5 Gy・cm2, p=0.078)。検査治療別、年齢別の検討では年齢が低い検査症例(1歳未満、1-5歳、6-10歳)のKa,rはS群が明らかに低いものの、PKAに有意差は認めず、治療症例ではS群の優位性はいずれの年齢でも認めなかった。平均値がJapan DRS 2020の50%タイル値を上回ったのは検査ではS群の11-15歳のPKA、治療ではF群/S群ともに1歳未満、6-10歳、11-15歳のPKAであった。【結論】アンギオ装置の更新により全体的に後期症例での被ばくの軽減が得られているものの、PKAはその傾向が低かった。また特に年長者、治療症例でDLRsを上回る被ばくを認めており今後の課題と考えられた。