第58回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

画像診断

ポスター発表(II-P4-2)
画像診断 III

2022年7月22日(金) 15:30 〜 16:30 ポスター会場

座長:唐澤 賢祐(唐澤医院 / 日本大学 小児科)
座長:東 浩二(千葉県こども病院 循環器内科)

[II-P4-2-09] 人工弁動作確認評価の撮影方向予測ファントムの開発と評価

水元 貴浩, 橋本 丈二, 浦邊 裕亮, 立石 恭規 (福岡市立こども病院)

キーワード:人工弁置換術, ファントム開発, X線シネ撮影

【背景】人工弁(機械弁)置換術後の評価としてX線シネ撮影は簡便かつ弁葉の開閉を動的観察できる確実な評価方法として広く用いられている。しかし、検査時に透視下で弁輪、弁葉ともに軸位で描出される角度への調整に時間を要した場合、患者・術者の被ばく増加に加え、評価が不十分になる要因が増えてくる。患者入室から評価終了までを速やかに行うために、撮影方向の事前予測と、装置と寝台の干渉を事前に把握することが重要である。そこで速やかな撮影を可能とするために、X線不透過物質で人工弁を模した、球体状ファントムを試作した。【目的】試作ファントムの有用性を検証する【方法】患者入室前にX線画像やCT画像をもとに人工弁の置換角度と同じになるように、寝台上にファントムを配置し、撮影可能な角度を確認する。患者入室後、予測角度で検査を開始し微調整後、最適な角度で動作確認し評価を行う。検査後、予測角度との誤差の評価、ファントム有用性の主観的評価をアンケート形式で行う。【結果・考察】大半の症例で予測角度との誤差は僅かであり、側面像があるとより予測角度の精度が上がる傾向が見られた。予測角度との誤差が30度以上ある症例もあり再検討したところ、参考画像としていた画像撮影時の体位の違いによって予測していた角度との誤差が生じたと考えられる。また、主観的評価では、装置と寝台の干渉、体位保持の撮影補助具を必要とする場合の準備が事前に把握できることが有用点であると分かった。【結論】ファントムを活用することでX線シネ撮影を速やかに行うことが可能となった。