[II-P4-3-03] 小児先天性心疾患手術後の再挿管に影響を与える因子についての検討
Keywords:再挿管, 人工呼吸器, 先天性心疾患
【背景】集中治療室における再挿管の関連因子についてはこれまでにも多くの検討がなされているが、統一された見解は得られておらず、とくに小児例の報告は少ない現状にある。【目的】小児先天性心疾患手術後患者における再挿管の関連因子を検討すること。【対象と方法】当院にて人工心肺を用いた心臓血管外科手術を受けた患者258例(平均年齢1歳5か月)を対象とした。診療録より、患者情報、手術状況、手術後経過などを後方視的に調査し、抜管後72時間以内に再挿管となった再挿管群と非再挿管群の2群に分けて比較検討した。なお、呼吸不全以外で再挿管となった症例は除外した。【結果】258例中104例は手術室またはPICU帰室後早期(挿管後24時間以内)に抜管し、154例は24時間以上の人工呼吸器管理を受けた。258例中14例(5.4%)で抜管後72時間以内に再挿管となった。再挿管群において、年齢(再挿管群 vs. 非再挿管群:中央値4 vs. 14ヵ月)が有意に低く、手術時間(中央値408.5 vs. 239.5分)、人工呼吸器装着期間(中央値23.5 vs. 1日)が有意に長く、咳嗽力低下例が有意に多かったが(p<0. 01)、抜管前PEEP(中央値3.5 vs. 3cmH2O)、抜管前心胸郭比(中央値54.25 vs. 52.6%)、鎮静深度、横隔神経麻痺合併の有無、姑息手術か否かについては2群間で差を認めなかった。【まとめ】小児先天性心疾患手術後患者における再挿管率は5.4%であった。年齢、手術時間、人工呼吸器装着期間、咳嗽力が再挿管に関連していた。