[II-P4-4-03] 小林スコア4点以下の川崎病不応予測における、直接ビリルビン/総ビリルビン比 (DB/TB)の有用性
キーワード:川崎病, ビリルビン, IVIG不応
【背景】川崎病のIVIG不応例を予測するために小林スコアが用いられている。5点以上はステロイドの初期併用療法が試みられており、さらにTB≧1は高リスクであることが分かっている。一方、4点以下では初期治療は一律IVIG単独で行われるが、実際は川崎病患者のうち4点以下の方が多く、一定の割合で不応例が存在する。4点以下の不応例を予測することは重要な課題である。【目的】小林スコア4点以下の不応予測のためにTB、DB、IBが有用かどうかを検討する。【対象】2017年1月1日~2021年12月31日の間に入院した川崎病患者188名。【方法】TB、DB、IB、DB/IB、DB/TBと不応の関係を検討し、ROC解析を行いcut off値を算出した。【結果】4点以下は138名(全体の73%)おり、108名が反応群、30名が不応群だった。反応群、不応群の順に各平均値は、TB 0.40 vs 0.43(p=0.40)、DB 0.15 vs 0.15(p=0.86)、IB 0.24 vs 0.28(p=0.18)、DB/IB 0.71 vs 0.62(p=0.29)、DB/TB 0.39 vs 0.36(p=0.09)だった。p値の最も低いDB/TBについてROC解析を行い、cut off値を0.43とすると、AUC0.61、感度0.4、特異度0.80となった。小林スコアとDB/TBの多変量ROC解析では、DB/TBは小林スコアよりもAUCは0.11増加した(p=0.19)。そこで、4点以下を改めてDB/TBのcut off値0.43で2群に分け検証したところ、不応率は0.43以上の群で有意に高かった(35% vs 17%、p=0.03)。【まとめ】4点以下の群では、不応に注意して治療経過をみる上でDB/TBは小林スコアよりも有用で、cut off値は0.43である。