[II-P4-4-06] ガンマグロブリン不応川崎病へのシクロスポリン持続静注療法におけるT細胞動態解析
キーワード:制御性T細胞, 細胞障害性T細胞, 血管炎
【はじめに】シクロスポリン(CsA)はCa2+/NFAT系に作用し、主にT細胞の活性を抑制することにより抗炎症効果を発揮するが、川崎病におけるCsA治療中のT細胞動態は不詳である。
【方法】対象は2011年から2014年に3rd lineとしてCsA持続静注療法を施行したIVIG不応川崎病14例。CsA開始翌日に解熱した症例をRapid responder群(R群)、解熱までに2日以上を要した症例をSlow responder群(S群)とした。CsA投与前、投与後2-4日後、回復期における制御性T細胞%(Treg)、細胞傷害性T細胞%(CTL)、可溶性IL-2R、CRPの変化を比較した。
【結果】両群ともに7例で、月齢はR群47±14か月、S群63±24か月(p=0.153)。可溶性IL-2R、CRPは、CsA投与前と比較して、投与2-4日後、回復期ともに有意に低下した。CsA投与前のTreg%、CTL%はR群、S群の両群間で差はなかった(Treg%; 2.0±0.4 vs 1.8±1.0 %, p=0.568, CTL%; 5.7±3.3 vs 5.1±4.4 %, p=0.760)。投与2-4日後のCTL%は両群ともにCsA投与前と差はなかった。一方、投与2-4日後のTreg%はS群では差はなかったが、R群は3.0±0.6%(vs CsA投与前, p=0.022)と有意に上昇していた。回復期には両群とも差がなかった。
【考察】IVIG不応川崎病においてTregの低下が報告されている。また、川崎病におけるinfliximab治療のメカニズムの一つとして、Treg発現の上方制御が報告されている。CsA治療においても、R群で投与2-4日後にTreg(%)の有意な増加がみられることから、川崎病のCsA治療反応性にTregが関与している可能性が推測された。
【方法】対象は2011年から2014年に3rd lineとしてCsA持続静注療法を施行したIVIG不応川崎病14例。CsA開始翌日に解熱した症例をRapid responder群(R群)、解熱までに2日以上を要した症例をSlow responder群(S群)とした。CsA投与前、投与後2-4日後、回復期における制御性T細胞%(Treg)、細胞傷害性T細胞%(CTL)、可溶性IL-2R、CRPの変化を比較した。
【結果】両群ともに7例で、月齢はR群47±14か月、S群63±24か月(p=0.153)。可溶性IL-2R、CRPは、CsA投与前と比較して、投与2-4日後、回復期ともに有意に低下した。CsA投与前のTreg%、CTL%はR群、S群の両群間で差はなかった(Treg%; 2.0±0.4 vs 1.8±1.0 %, p=0.568, CTL%; 5.7±3.3 vs 5.1±4.4 %, p=0.760)。投与2-4日後のCTL%は両群ともにCsA投与前と差はなかった。一方、投与2-4日後のTreg%はS群では差はなかったが、R群は3.0±0.6%(vs CsA投与前, p=0.022)と有意に上昇していた。回復期には両群とも差がなかった。
【考察】IVIG不応川崎病においてTregの低下が報告されている。また、川崎病におけるinfliximab治療のメカニズムの一つとして、Treg発現の上方制御が報告されている。CsA治療においても、R群で投与2-4日後にTreg(%)の有意な増加がみられることから、川崎病のCsA治療反応性にTregが関与している可能性が推測された。