[II-P4-5-12] COVID-19流行前後での免疫グロブリン不応川崎病の比較
Keywords:川崎病, COVID, IVIG不応
【背景】COVID-19の流行に伴い川崎病罹患者数は7割程度に減少した. その中で免疫グロブリン(IVIG)不応の頻度についての報告は少ない.【対象と方法】沖縄県内にて, IVIGが2回不応の症例は全例当施設で加療としている.COVID-19流行前(2018-19年)と流行後(2020-21年)でのIVIG不応の25例について, 頻度とその詳細(症状, 治療開始月齢, 冠動脈瘤, 血液検査)について比較検討した.【結果】IVIG2回不応例は2018年5例, 19年11例, 20年4例, 21年5例であった.COVID-19感染例はなかった.川崎病全国調査による県内症例のうち, 県内不応例の割合は2018年2.9%, 19年5.3%, 20年2.6%であった. 3rd lineの治療はインフリキシマブが17例(68%), IVIGが5例(20%), 血漿交換が3例(12%)であった.流行前後で不全型の割合, 治療開始病日, 発症月齢, AST, ALT, 好中球割合, 血小板数, 血清Na, CRPにおいて有意差はみられなかった. 急性期に小動脈瘤(Z score >2.5)以上を認めたものは15例(66.7%)で, 流行前7例(43.8%)と後3例(33.3%)に有意差はなかった. 遠隔期に動脈瘤が残存したのは前で2例(12.5%), 後で1例(11%)と差はなく, 全例小瘤であった。また, 冠動脈瘤有群は無群に比べてNa≦133症例が有意(p<0.05)に多かった.【考察】IVIG不応例の頻度については, 2021年はまだ統計がないものの, 全体数の減少が予想される中で不応例は減少しておらず,COVID流行に関わらずIVIG不応例の割合が増加している可能性が示唆された.また,不応例においても, 急性期動脈瘤の頻度は1-2%であり, 適切なタイミングで治療されれば瘤形成の頻度は全症例における頻度と同等であった。【結語】 COVID流行に伴い川崎病症例が減少してもIVIG不応例は減少しない可能性がある.