[II-P4-8-06] 妊娠期に先天性心疾患の診断を受けた母親への支援
Keywords:congenital heart disease, prenatal diagnosis, family support
背景:胎児超音波検査機器や技術の向上により、先天性心疾患の多くが出生前に診断され、診断時期が早まっている。そのため、診断の告知に際する家族への支援や心理的ケアを行う必要がある。先天性心疾患の胎児診断を受けた母親の思いや支援のニーズを明らかにし、支援体制を検討することを目的とした。方法:対象は妊娠期に先天性心疾患の診断を受けた母親5名とした。対象者に半構造的面接を行った。データは逐語録作成後、質的帰納的に分析した。結果:対象者の年齢は20代後半から30代後半、初回面談時の妊娠週数は30~34週であった。分析の結果、57コード、16サブカテゴリーから6カテゴリーが抽出された。先天性心疾患の診断を受けた母親の思いは<診断時の落ち込む気持ち〉といった《診断時のショック》を感じ《夫・パートナーと感情を分かち合う》ことにより支え合っていた。また、<先行きが不安>や<生まれないと分からない>といった《不確かな不安》を感じているが、<気持ちの準備をする><前に進むしかない>と《前向きに立ち向かう》気持ちとの葛藤を抱えていた。ニーズとして《最善の選択をしたい》という思いから<最善の治療を知りたい><治療施設や疾患の情報を集める>ことを行っていた。<助成や支援><ピアサポート>などの情報を知りたいことや<相談者が欲しい>といった《ソーシャルサポートが必要》である現状が明らかとなった。母の葛藤する思いを傾聴し、心理的ケアは継続的に連携して行う必要がある。さらに家族が最善の選択を行えるよう適切な情報提供を行うとともに、他職種と協働してソーシャルサポートの支援に向けた介入の必要性が示唆された。結論:母親の葛藤する思いを尊重し心理的な支援を行い、適切な時期にソーシャルサポートの情報提供を検討していく必要がある。