[II-P4-8-07] 先天性心疾患患児の退院指導における継続看護の課題
キーワード:先天性心疾患, 退院指導, 継続看護
【背景】先天性心疾患児は出生後より長期にわたり入院が必要となるため、家族への育児・療育指導が重要である。育児・療育手技を獲得するには、退院を見据えた早期からの指導が必要となる。【目的】病棟看護師が、退院後の家族の1.育児状況、2.療育状況を把握することで、退院指導の評価とその後の継続的な看護につなげられるため、看護外来を導入した。【方法】2021年6月~12月に、A病棟を退院した患者と家族27名に退院後初回外来時に承諾を得て、15分程度の面接を実施した。面接は実施者による差異を最小限にするためインタビューガイドに沿って実施した。退院後の育児・療育の状況や成長・発達の確認、現在困っていることなどの得られた情報を元に、看護外来の継続の必要性を担当者が判断した。継続した看護外来が必要な場合は外来看護師に引き継いだ。【結果】1.育児面では、「ミルクとおむつ交換に追われる」「入眠時間が短く、休息できず困った」などの意見があった。また、「家での沐浴は勝手が違った」「濃いミルクの作成方法が違っていた」など、病棟での指導とは違う状況に困っていた。2.療育面では、服薬方法、胃管の管理に対する不安や疑問、心不全の症状をもう一度教えてほしいなどの要望があった。【考察】育児・療育面に不安が残っている家族の多くは長期入院や、第一子であった。要因として実際の生活に沿った指導でないこと、指導に必要な情報が得られていないと考えられ、情報の収集と共有方法を検討し指導につなげる必要がある。入院中より家族との関係を築き、児の経過を理解している病棟看護師が看護外来を実施することで、家族の思い、本音が表出されやすく、問題点に対しての早期介入がしやすいと考える。【結論】今後の課題として、1.家庭環境を考慮した指導の工夫。2.服薬指導など療育手技は、外来看護師と連携しフォローアップの方法の検討が必要である。