[II-P5-1-08] Fallot四徴症に対する一弁付き右室流出路再建における遠隔期成績
キーワード:Fallot四徴症, 一弁付き右室流出路再建, 遠隔期成績
【背景・目的】Fallot四徴症(TOF)に対する治療成績は向上し、遠隔期のQOLが重要となっている。その背景には、人工心肺法の改良に加え、手術手技、組織補填材料や代用血管など医療材料の要素が寄与してきた。しかしながら、一弁付きパッチを用いた右室流出路再建法は、施設毎にハンドメイドで作成される事が多く、施設間のばらつきが予測される。
【対象・方法】1986年4月~2022年2月の期間に、当院で施行した初回TOF根治術(Fallot型両大血管右室起始症を含む)93例のうち、一弁付き右室流出路再建術は51例。そのうち、詳細な手術記録が存在し、フォローアップ心臓超音波検査を施行した29例を対象とした。一弁付きパッチに用いた素材・手術手技・患者背景等の因子が、遠隔期の右室流出路へ及ぼす影響を検討した。
【結果】手術時月齢はmedian 17 [IQR:12, 24]、体重は8.8 [8.2, 10.1] kg。術前PAIは267 [205, 361.5] mm2/m2、LVEDVIは71.3 [61.6, 78.4] ml/m2、LVEFは61.6 [58.8, 64.9]%で、右室切開長は15 [10, 16.5] mmであった。観察期間は10 [5, 19 (最長31)]年で、完全追跡率は86.2%であった。最終心臓超音波検査所見は、1) PR grade:mild以下 17例・moderate 7例・severe 2例、2) TRPG:平均34.8±標準偏差14.2 mmHgであり、3) 右室流出路再建に対する外科再介入は自己弁硬化1例・移植弁尖硬化1例・末梢肺動脈狭窄1例の3例であった。また、一弁付きパッチに用いた弁尖素材や肺動脈素材・自己弁形態・末梢肺動脈形成の有無・右室切開長(mm)を遠隔期予後因子と推定し、1)~3)に与える影響を検討したが統計学的有意差を認めなかった。
【結語】当施設におけるTOFに対する一弁付き右室流出路再建の遠隔期成績はPR grade moderate以上9例(31%)、外科再介入3例(10%)であった。
【対象・方法】1986年4月~2022年2月の期間に、当院で施行した初回TOF根治術(Fallot型両大血管右室起始症を含む)93例のうち、一弁付き右室流出路再建術は51例。そのうち、詳細な手術記録が存在し、フォローアップ心臓超音波検査を施行した29例を対象とした。一弁付きパッチに用いた素材・手術手技・患者背景等の因子が、遠隔期の右室流出路へ及ぼす影響を検討した。
【結果】手術時月齢はmedian 17 [IQR:12, 24]、体重は8.8 [8.2, 10.1] kg。術前PAIは267 [205, 361.5] mm2/m2、LVEDVIは71.3 [61.6, 78.4] ml/m2、LVEFは61.6 [58.8, 64.9]%で、右室切開長は15 [10, 16.5] mmであった。観察期間は10 [5, 19 (最長31)]年で、完全追跡率は86.2%であった。最終心臓超音波検査所見は、1) PR grade:mild以下 17例・moderate 7例・severe 2例、2) TRPG:平均34.8±標準偏差14.2 mmHgであり、3) 右室流出路再建に対する外科再介入は自己弁硬化1例・移植弁尖硬化1例・末梢肺動脈狭窄1例の3例であった。また、一弁付きパッチに用いた弁尖素材や肺動脈素材・自己弁形態・末梢肺動脈形成の有無・右室切開長(mm)を遠隔期予後因子と推定し、1)~3)に与える影響を検討したが統計学的有意差を認めなかった。
【結語】当施設におけるTOFに対する一弁付き右室流出路再建の遠隔期成績はPR grade moderate以上9例(31%)、外科再介入3例(10%)であった。