[II-P5-6-07] ファロー四徴症術後症例の右室拡張能に対する左右心室機能および循環動態の影響
Keywords:右室拡張能, ファロー四徴症, 右室機能
【背景】ファロー四徴症術後症例など先天性心疾患症例における右室拡張能の評価は重要であるが、どのような心機能・循環動態が右室拡張能に影響を与えるのかの詳細は不明な点が大きい。【目的】ファロー四徴症術後症例において右室拡張能に影響を与える左右心室機能および循環動態について検討する。 【方法】10歳以上のファロー四徴症術後42例(21.2±8.4歳)を対象として心エコー検査、心臓カテーテル検査によって得られた右室拡張能を規定する循環動態因子を検討した。【結果】RV E/A とRV Pmax, dP/dt_max, dP/dt_min は有意相関を示した (p=0.01, 0.01, 0.04)。RV e’ は LV Pmax, dP/dt_max, dP/dt_min と有意相関を示した (p=0.01, 0.04, 0.01)。RV E/e' と LV Pmin は有意相関を示した (p=0.03)。RVの時定数τは LV の τ, dP/dt_min と有意相関を示し (p=0.03, 0.04)、RV Pmin は LV Pmin と有意相関が認められた (p=0.01)。また、RV e’と肺動脈弁逆流は有意相関を示した (p=0.02)。【考察】右室拡張能に影響を与える因子を検討したところ、右室機能を規定する要因のみではなく、左室機能因子も関連していることが示された。また、肺動脈弁逆流などの前負荷による右室拡張能との相関も認められた。【結語】右室拡張能は右室自身のみに規定されているのではなく、左室の心機能にも大きく影響されている可能性が示唆された。