The 58th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスター発表

心臓血管機能

ポスター発表(II-P5-6)
心臓血管機能

Fri. Jul 22, 2022 4:40 PM - 5:40 PM ポスター会場

座長:土井 拓(天理よろづ相談所 小児科/先天性心疾患センター/周産期センター)
座長:早渕 康信(徳島大学病院 小児科)

[II-P5-6-08] 在胎26週以下で脳室内出血をきたした児の心機能について

横山 岳彦, 犬飼 幸子 (日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 小児科)

Keywords:超早期産児, 脳室内出血, 右心機能

【始めに】超早期産児において神経学的予後に大きく影響を与えるのが脳室内出血である。脳室内出血(IVH)の原因として、後負荷との不適合による静脈鬱血が報告されている。静脈鬱血の原因は前負荷過剰と考えられる。前負荷は、水分バランスにより管理される。今回、水分管理がIVHの発症にあたえる影響とその際の心機能について検討したので報告する。【対象】2010年5月から2020年12月までに在胎26週以下の児は当院NICUに141例が入院していた。院外出生と死亡退院をのぞいた103例のうち心機能解析の行えた57例を対象とし、後方視的に検討した。【方法】心臓超音波検査を行い生後12時間、24時間、48時間、96時間の左室収縮期壁応力(WS)、心拍補正左室円周短縮速度(mVcfc)、左心拍出量(CO)、拡張早期右室流入血流速度(Et)、拡張早期三尖弁輪移動速度(E‘t)を測定しその比(Et/E’t)を生後12時間、24時間、48時間、96時間に計測した。さらに、生後0から24時間、24時間から48時間、48時間から72時間、72時間から96時間の、体重あたりの水分投与量(IN)、排泄量(OUT)、水分バランス(BAL)と3度以上のIVH発症の関係を、個体内の繰り返しを加味した一般化推定方程式により評価した。【結果】3度以上のIVHは13例に認められた。重症IVH発症リスクはINの増加と関連した(p<0.001) 。INの増加はEt/E’の増加(p<0.001) とWSの低下(p=0.001)に関連していたが,WS, mVcfc, CO, Et, E’t, Et/E’とIVH発症率に直接の関係は認めなかった。【結語】これまで極低出生体重児ではWS高値がIVHと関連していると報告されてきた。しかし今回の検討ではWSよりは水分投与量がIVHと関連することがしめされた。またEt/E’はINの増加に関連しておりIVHはINの増加による静脈鬱血の可能性が考えられた。