[II-P5-8-01] 先天性心疾患に間質性肺炎を合併した小児例の検討
キーワード:間質性肺炎, 合併症, KL-6
【背景】小児の間質性肺炎は非常にまれでありまとまった報告は少ないが、一度罹患すると有効な治療に乏しく管理に難渋する。今回、当院で経験した先天性心疾患に間質性肺炎を合併した症例の経過について後方視的に検討した。【対象】2008年7月から2022年1月まで当科で経験した心疾患に間質性肺炎を合併した5例。【結果】基礎疾患は単心室2例、TAPVC1例、CoA complex1例、ASD1例。染色体異常は2例(21trisomy, 15番染色体部分欠失)、肺高血圧2例、肺静脈狭窄1例, 気道狭窄1例、37週未満の早期産は1例に認めた。出生体重は平均2587g(1444-3552g), 診断時月齢は平均12.8ヶ月(1-26ヶ月), 診断時SpO2は平均89.2%(80-96%), 診断時のKL-6は平均3069U/ml(459-6800U/ml), 診断時4例で酸素投与を行っており、人工呼吸管理中は2例であった。 術後症例は3例で、手術から発症までの期間は平均10ヶ月(4-18ヶ月)であった。治療はステロイド全身投与または吸入を行った。肺血管拡張薬は3例で投与されていた。ステロイド投与により一時的に症状の改善を認めた症例もあったが全例が死亡した。診断から死亡までの期間は平均8.4ヶ月(1-19ヶ月)であった。【結語】先天性心疾患に間質性肺炎を合併した小児の予後は極めて不良である。